HARC-PRO. の若手育成プロジェクト

2003年全日本最終戦。全日本開催全4クラス中、3クラスでハルク・プロはタイトル獲得を果たした。その内容は、ベテラン小西良輝がST600で、若手青山博一がGP250、青山周平がGP125で夫々、チャンピオンとなった。ベテランライダーが若手を引っ張り、チームもこれをサポート。既にこのときから、理想的な若手育成環境を目指してさまざまなアプローチを行っていた

ハルク・プロの若手育成プロジェクトは、1996年まで遡ります。

当時、HRCの副社長だった金澤賢氏から「ファクトリー活動の中で若手育成を行うのは難しいので、全日本の現場でチームにやってもらいたい」という依頼からでした。
そうして引き受けた若手育成プロジェクトの第1号は、山口辰也。
国際A級に昇格した山口をハルク・プロが受け入れ、1997年の全日本GP250クラスを戦い始め、2001年にチームHRC入りを果たしました。

二人目の若手育成プロジェクトのライダーとして受け入れたのは、青山博一。全日本GP125、GP250クラスとステップアップし、2003年に全日本GP250チャンピオンを獲得。翌年からWGPへ参戦を開始し、250クラスの最終年となる2009年には見事、世界チャンピオンに輝いたのは皆さん、ご存じの通りです。弟の青山周平もハルク・プロから全日本GP125、GP250クラスへ参戦。2003年にGP125チャンピオン、2005年にGP250チャンピオンを獲得し、翌年からのグランプリ参戦へチームから羽ばたいていきました。

2010年に全日本ST600クラスに復帰。翌11年は全日本J−GP2クラスに参戦し、タイトル獲得を果たして翌年からのMoto2参戦を果たした中上貴晶

現在、MotoGPで活躍する中上貴晶も、ハルク・プロから2006年の全日本GP125クラスに参戦し、全戦優勝。翌年からWGPへ参戦開始。さらに中上は2010年にWGPから一度全日本に戻り、ハルク・プロからST600クラスを戦い、さらに翌年はJ-GP2クラスでチャンピオンを獲得。2012年から再び世界グランプリの場へ戻り、現在はLCR Honda IDEMITSUからMotoGPクラスを戦っています。

2020年はJSB1000クラスに水野涼、ST1000クラスに名越哲平と榎戸育寛、ST600クラスに埜口遙希という四人の若手ライダーを走らせ、世界へ送り出そうと全日本のフィールドの中で育成プロジェクトを展開しています。さらに2014年からは、地方選手権を戦う若手ライダーの育成も、武蔵精密工業株式会社の協賛を得、MuSASHi RT HARC-PRO.スカラシップとしてスタート。若手三人のライダーに、元世界GP125チャンピオンである坂田和人さんを校長に、坂田さんを含めた三人のインストラクターという理想的育成環境を整え、ツインリンクもてぎで年10回のトレーニングを展開しました。その中から、全日本J-GP2チャンピオンを昨年獲得した名越哲平、今年Moto3クラスを走る山中琉聖、國井勇輝らを輩出。2020年で7季目となり、引き続き三名の若手ライダーのトレーニングを行っています。2020年には昭和電機株式会社の協賛で、可能性を秘める若手ライダーに、全日本J-GP3クラスへ挑戦する場を、ハルク・プロが提供。国内トップチームであるハルク・プロのハードとソフトを提供してサポートするというSDG Motor Sports Jr, Teamがスタートしました。HARC-PRO.スカラシップトレーニング、そしてSDG Motor Sports Jr. Teamという二本柱の若手育成プロジェクトを展開。
HARC-PRO.スカラシップトレーニングでロードレースの基本をしっかりと学び、世界へ挑戦するための重要なステップとなるホンダNSF250Rでの全日本J-GP3クラス挑戦の場が経験できるSDG Motor Sports Jr. Teamという、理想的な若手育成プロジェクトの流れを作ることができています。

HARC-PRO.スカラシップトレーニング

 

SDG Motor Sports Jr. Team