全日本とARRC後半戦へ
全日本もてぎからマンダリカへ
久し振り?に全日本選手権のレースがもてぎで開催されたね(アレッ?前回はいつだったっけ)忘れるくらい時間が経っている。(こんなに空いたらライダーなんて育つ訳がない、下手したら乗り方忘れちゃうよ)俺達はまだいい方、8耐があったりアジア選手権に出たりした分、他のライダー達より少しだけ気が紛れるから。
その8耐の時、チームのタイヤ担当に抜擢?された小田喜阿門(ハルクの伝統で、新人ライダーは8耐でタイヤ担当する、哲平や水野も通った道)モテギでは逆に恵斗に「僕のタイヤ管理お願いします」(笑)
ルーキーながらアグレッシブな走りを見せる阿門、レース終盤にほぼ手中にしていた表彰台を失う事になってしまった。(本人は納得いかないようだったが、このあたりがレース勘を養うために必要な“場数”が足りない事から来るミス)「阿門がレース出来るのは相手がいるからで、お前が行けると思っていても相手も行けると思っていたから、ああいう事になる」
レースは競い合うところが面白い、タイム出すだけなら一人で走っていればいいんだ、阿門がレースに喜びを感じられるのは相手をしてくれる多くのライダーがいることを忘れてはいけないと説教してやったよ。まあ今回はぶつかった相手が転ばなくて良かった。
小田喜亜門。コイツは近い将来間違いなくハルクを背負って立つだろう?ハルクの看板ライダーになるという事は全日本のトップライダーになる。楽しみな奴が出て来た。
既にハルクの看板ライダーになって久しい名越哲平。このところちょくちょく怪我をして中々結果が出せないでいる。モテギのレース1では好スタートでトップグループに位置した矢先、無念のスピードダウン。(とうとう俺達にも悪魔がやって来た。最近流行りのウイルスに俺達も感染してしまった)悔しがること然りの哲平、それはそうだ、このところ結果が残らず一番悔しい思いをしているのは哲平本人。俺は「悪かったな、ゴメンな」と言うしか無かった。
気分新たに迎えたレース2では頑張って走っていた。いいよ~PAPA哲平(笑)
全日本組と別れを告げ、俺達はそそくさとインドネシアへ向かう。
例年ジャカルタからマンダリカがあるロンボグ島に行くには、夜の11時過ぎに着き、ジャカルタのエアポートホテルで一泊し翌朝5時起きでロンボグ島行の飛行機にチェックインしていた。これが意外にきついなと感じていたので、少し余裕をもって、昼前の便で行く事にした。
朝、ホテルでノンビリ朝食を食べ、ひと寝入りはしないけどかなり余裕が出来て良かったなとみんなと話をしていたが、普段あまり焦ったりソワソワしない“BeeRer”T山が、ロンボグ行の機内でも何だか落ち着きが無い。聞けば、どうもクレジットカードを落としたみたいだと、「昨日まで履いていたズボンのポケットかも知れない」飛行機を降りてバゲッジを受け取りズボンのポケットを探すが無い。「あ~あヤバイカード止めなきゃ」嘆くT山。迎えに来たロドニーに「T山がカードを無くしたと言っているが昨日のホテルの部屋に無いか聞いてくれ」果たして、これですねと写真付きでホテルから返信が。ユックリしたらしたで、大事なカードを置いてくるとはナントもねえ。(苦笑)
俺はマンダリカに来るとゲートを越えた辺りで少しセンチメンタルな気分になる。危険なレースをやる者の宿命ではあるが。身体は日本に帰ったけど、遥希の魂はいまだに彼の地にあるような気がしてならない。今回も遥希の記念碑がある場に花を手向けた。
(しかし、その目の前でASBのレース1でアクシデントがあるとは)このところスピードが出てきたオージーEPISが、有ろうことかアズロイと恵斗のインに飛び込んで来て止まれず、そのまま恵斗に激突。幸い怪我も無くマシンも小破で済んだので恵斗は再走、9位でゴールした。(チャンピオンシップでこのゴールは大事だった)
俺は遥希に二度と事故が無いように頼んでおいたのに、目の前でかよ?(でも、考えてみれば、怪我も無くマシンも大して壊れず走れたのは、遥希が守ってくれたのかもしれないな)
レース2では終始トップを走る快走を見せた恵斗だったが、終盤、追い付いてきたアズランにかわされ2位でのゴールとなってしまった。だがレース1の9位が効いてランキングは一晩でトップに返り咲いた。
好調なASBに引き換え中々上向かないAP250のJAKOB、レース1ではまたかの追突転倒。レース2では健闘していたが未だにポイント獲得圏内に入れない。今回は随分マシンもアップデートしたから期待していたが。まあしょうがない次に期待だ。
ジャカルタ市内での暴動のニュースがあり若干心配したが、空港では何事も無かったのは良かった。(ロンボグ空港からのガルーダ便が何と4時間遅延は驚いたが、結果的には間に合い、先発便のSDG中島君が、例のT山氏のクレジットカードもホテルに行き預かって来ていたので全て丸く収まった。良かった良かった。