【COLUMN】2023年初の投稿
新年あけましておめでとうございます。
今年もハルクプロチームは昭和電機さんと共に、SDG MOTOR SPORTSとして活動出来ることになりました。
全日本ロードレース選手権はJSBクラスに名越哲平がリベンジ参戦。哲平は去年3月の鈴鹿サーキットのファン感謝デーの時に最終シケインのエントリーで転倒、アウト側のクラッシュパッドに激突、足首を骨折し回復が大幅に遅れてしまった。理由は、足首の骨折ばかりに目が行き膝裏の靭帯が断裂していることに気が付かなかった。哲平自身初めての大怪我で、冗談では無く「分からないです」言っていた。結局8耐の後に手術を行い、後半の全日本は欠場となってしまった訳。
今年はJSBクラスに新たな参加者が増え、少し賑やかになりそうなので、楽しみだね。
JSBクラスは40男の王者中須賀が君臨しているので、何とかやっつけて欲しい。相撲の絶対横綱白鵬みたいなモンだからね、チャンピオン獲って引退なんて、全勝優勝して引退した白鵬みたいだと残ったライダー達の資質が問われ全日本選手権の価値観にまで響いてしまう。まあ、なんだかんだ言っても中須賀が速いからななんだけどね。とにかく哲平には頑張って欲しい。
榎戸育寛と國井勇輝はST1000クラスにエントリー。昨年はST車両でJSBクラスに出場し、時折見せた切れの良さを買い、哲平欠場の穴を埋めるべくJSB車両で後半は戦った榎戸育寛、今年は真っ当にST1000クラスを戦い、もちろんチャンピオンを目指します。
国井勇輝は、とにかく身体の成長が激しく、昨年は600に乗っていてもマシンが小さく感じられた。本人の希望もあり今年は1000CCで戦います。のクラスで伸び伸び戦ってくれるでしょう。國井ももちろん狙うのはチャンピオンだが、取敢えず表彰台からだね。
ハルクにはもう一人、アジア選手権を戦う埜口遥希がいる。埜口は昨年、初めての1000クラス、初めてのアジア選手権で健闘し、常にトップグループでレースが出来ていた。最終戦を前にほぼチャンピオン確定な程の活躍だったが、全日本のMFJ-GPにスポット参戦した際に、特別走行で他車に追突され胸椎骨折で入院になってしまい、アジア選手権最終戦出場も不可能な状態になってしまった。大量リードがあったので「もしかしたら?」最後まで可能性は残っていたが、結局4ポイント差でチャンピオンを取り逃がしてしまった。
今年は気を取り直して再びチャンピオン獲りに再チャレンジだ。
このシーズンオフ、ハルクチームのライダー4人のうち3人がリハビリからスタートになる。名越、埜口の他榎戸も大腿骨に入っているスティック除去の手術を昨年暮れに行い、しばらくはオートバイに乗れない。
俺は以前から、冬の間オートバイに乗れない事が翌年のスタートダッシュに多大な影響があると考えていて、ウインタートレーニングのプランを練っていた。俺がフィリピンにワークショップをオープンしたのはそんな考えがあっての事。トレーニング用のオートバイと適度なサーキットがあるので、日本の冬場のトレーニングには最適だと思っている。
そもそも近年日本人が全日本から海外に出て行き大活躍している人材が居ないのは、とにかく走る機会、レース回数(周回数)スポーツ走行、全てにおいて少な過ぎることが原因の一つではないかと考えている。
8、90年代はライダーの数もレースの開催数も格段に多かった。切磋琢磨してライダー達は技術を磨いた、這い上がろうとそれは半端ない努力をしたし、コース上でも遠慮なく戦ったから事故も多かった。その厳しい戦いの中から這い上がってきたライダーは世界へ出て行っても強かったし、事実多くの世界チャンピオンが生まれたね。
もちろん現在の日本で以前と同じようなレース環境は望むべくも無いが、少しでも出来ることはやってみようと思っている。
俺のやろうとしていることに呼応して、フィリピンの若いライダー達が何人か一緒にトレーニングに参加したいと言ってきたので、面白いから入れてあげることにしたよ。
2月の頭から、初めてのウインタートレーニングが始まる。進行状況は追って投稿します。