【COLUMN】MFJ-GP

久し振りの全日本、MFJ-GP

今年はハルクプロ海外拠点の構築でしばらく日本を離れていたので、鈴鹿のMFJ-GPが俺にとっての開幕戦となった。

思えばハルクプロとして全日本に参戦を始めたのが1986年、俺はただの一度も欠場する事が無かったからとても新鮮だったね。

レースウイークは夜に降った雨の影響なのか皆一様に「グリップが」悩んでいた。俺達は7月のこの時期、通常は8耐なので他のクラスでの経験が無い。唯一JSBクラスが参考になると思うがクラスをリードする中須賀ですらタイムが伸びない。哲平はとにかく「気持ちよく乗れない」言うだけで自身の持つベストから2秒以上遅いタイムしか刻めない。マシンセッティングをどう振っても変わらないので成す術が無いんだ。散々悩んでセッティングを決め、予選に臨む時に、俺は最後の秘策を施し哲平に伝えた。(単なるニンジンぶら下げただけ)それでも目の前にあるニンジンを必死?に追い1秒以上タイムを縮めた哲平。(何が気持ち良くないだ、グリップだ、関係ないじゃないよ)一応設定タイムを超えていたのでニンジンの支払い分担金はこれから代表の光太郎と相談だな。(笑)

予選で一皮むけた哲平はレース1でも張り切り、初めての2位表彰台に登った。レース2でも気持ちよく乗れてはいたが、スタートで出遅れ序盤にタイヤを使い過ぎたのが仇となり終盤ペースが落ちてしまったのが残念だった。(レース2ではニンジン無かったからかな?(笑))

ST1000の榎戸は初日の一本目に転倒し、ウイーク中それを引きずってしまった感があるな。事前テストでも好タイムで走っていたし、筑波でも調子良かったのに。ライダーは生き物だから一度歯車が狂うと短い時間で修正は難しい。俺もあれやこれや良かれと思った事を提案したが、そんな中で再び転倒。完全に自信を失った榎戸は輝きを取り戻せないままレースを終えてしまった。

うちにはもう一人長いトンネルから抜け出せない奴がいる。GP3の成田。際立った速さは無いもののそれでも昨年のランキング3位、遅いライダーではない。昨年まで7cで走っていたのでマシンパッケージがガラッと変わったのが馴染めないようで、相当苦しんでいる。残り2戦のうちに本来のスピードを取り戻せるといいな、俺も精一杯サポートしていくよ。

ST600の埜口は無向っ気の強さで頑張っているが、優等生ライダーが多いハルクの中では異質のライダー。まあ若いうちはどうでもいい、技術も性格も成績と共に変わって行くだろう?(笑)

今回の鈴鹿は色々な事があったな。ST600スタート前のドタバタ、結果的に雨も降っていないのにウエット宣言を出すタイミングになったり(当然周回数も減算)レース後には競技団の有り得ないミスが発覚し大騒ぎになったし、ST1000ではレース後の車検で失格が出たり。

GP3の若いライダーが予選でマシントラブルによりタイム計測がされず決勝を走れなかった。嘆願書を提出したが「規則で予選タイムが無いので出走出来ません」一蹴された。菅生の時はJSBクラスですら同じ状況でも基準タイムクリアすれば出走させたのに。

若手ライダーの育成とか口では言いながら「規則だから」お役所仕事みたいだね。

まあ、どちらに分があるかと言えば規則を遵守している方に分があるのは明白なので、俺も何も言えないけどね。(何とかしてあげようという心が感じられないのが寂しい)

俺が言いたいのは全日本選手権としての“平準化”いつまでたってもバラバラ。俺達は全戦回る訳だから、施設によってやり方が違うのが一番困る。

 

久し振りの鈴鹿夜の部は、スタートがご存知すし安、二日目は隣りのしんちゃん、三日目は大人しくして、土曜日は友蔵。みんな久し振りなので優しく対応してくれたね。東京と違いアットホームで楽しく呑める鈴鹿は最高。(笑)