【COLUMN】Vol.278 2019鈴鹿8時間耐久ロードレース
2019年鈴鹿8時間耐久レースが終わった。
今年もライダー探しには苦労したな、MOTO2、MOTOGP、WSB、BSBなど、考えられるあらゆるジャンルから可能性のあるライダーを探しまくったよ。
鈴鹿8耐は特殊な耐久レースで、スピードが無いと話にならない。レース中の展開によってはマップをスプリント仕様に切り替えて勝負する。(以前なら燃費を抑えた耐久マップしか使えなかった)マップと言うのは、インジェクションに燃料を送る量を調整する事、他にも色々調整が出来るんだけどね。今年のレースではトップグループが何度かスプリント仕様のマップを使っていたと思われる。(最終スティントのレイが6秒台で走ったからね、耐久マップじゃ無理)
しかし、いくらマシンを速くしても乗るのはライダー、これが速く走らせる能力が無けりゃ話にならない。
何時間目だったか?巧・レオン・マイケルの3台がトップ争いをしているのを見て(こいつ等全員ハルクで優勝したんだよな、強い訳だ)思ったよ。
平均ラップタイムで俺達と1秒近く差があった今年の8耐、トップチームが220周をターゲットにしていたのに対し、俺達のターゲットは218~9周。ライダーのレベルから考えても届かなかったな。(その速い連中に90秒も“ハンデ”あげた?時点で厳しいけどね)
長い事レースやっているけど、今年の8耐でやってしまった“ミス”は取り返しのつかないものだった。
予選用に使えるタイヤは本数制限があって、使うタイヤにマーキングのステッカーを貼るんだ(制限数以上に使えないように)タイヤの制限に配ったステッカーをホイルに貼ってしまった。(これならいくらでもタイヤを使える。まあ、実際はBSさんがコントロールしていて無理だけどね)
普通はみんなでチェックするから起きないミスなんだけど、こうやって事故は起きるんだな、そのミスを発見したのが車検員だったのが運の尽き。事前にミスを申告していれば貼り換え(有償)も可能だけど、指摘されてからでは遅いのだ。
要は、わざとホイルに貼って見つからなければ、みたいな感じ。レースディレクションの判断はそれで、盛んに“Cheat”と言う言葉を使っていた。俺はそれを聞いた時(その考え方か、駄目だこりゃ)ペナルティを覚悟した。まあ、生意気に人の事をジャッジした報いが今年のレースの最後にあったけどね「偉そうな事言っているから罰が当たるんだよ」最高にみっともないジャッジ。(笑)
あの稀にみる激しいレースの幕切れにしては、あまりにもお粗末な裁定でした。優勝したカワサキチームは、あの歓喜の画像が無く、とんだ辱め?を受けたヤマハチーム。
以前の8耐は良かったな、携わる人達全員に一体感があった、みんなでイベントを盛り上げる感があった。鈴鹿8耐は特別なレース、そこに世界選手権の看板なんていらない。
来年の鈴鹿8耐には勝ちを狙えるメンバーを揃えられるか?外に居なけりゃ自前のライダーを育てるしかない。やっぱり俺達はライダー育成だ、先ずは次のもてぎ2&4か、8耐を戦い終えた涼が、一皮むけた走りが出来れば今年の8耐唯一の収穫となる。