Vol.249 全日本選手権終了
今年も全日本選手権の全日程が終了した。
俺達ハルク・プロは今年も全クラスにエントリー、俺は特別スポーツ走行の時は朝から終了時までコースサイドから離れられない。(昼飯を食いに行く時が唯一の休憩?)
一年間全日本を戦ってきたウチのライダー達、さすがに少しは成長の後が見られる?何だかそうでも無いかな?それでもGP3の栗原、ST600の名越はチャンピオンの可能性が薄くない。GP2の水野と巧はさすがに厳しい状況。
レースが始まり栗原。徳留に先行し、更に間に一人以上入れないとチャンピオン争いには勝てない。俺の見る限り栗原の今年ベストレースだったと思う。完璧にレースをコントロールし、間に入れるべくライダーのペースに合わせる。しかし徳留は世界でチャンピオンを争ってきたライダー、すぐに栗原の作戦を見抜きプッシュする。
ラスト1周で息の詰まる攻防を制しトップで最終シケインへ進入した栗原、ライン取りで3番手に落ちた徳留、俺達は「やったー、凄い佳祐」しかしそこはベテラン、立ち上がり加速に掛けた徳留はゴールラインでわずかにかわし2位でチェッカー、栗原の夢は崩れ去った。一年間を終わってみれば1ポイント差のランキング2位、あの岡山さえ無ければ、後悔先に立たず。最多勝を飾ってもチャンピオンには成れなかった栗原佳祐。まだ若い、来年頑張ればいい。
そのレースを見ていた名越哲平、スイッチが入った。序盤からトップ争いの後ろに付け、終盤にはトップすら窺う好走を見せる。俺達は又ビックリ「イケー 哲平」しかしこのレースでも女神は微笑まなかった。
最後に逆転優勝したのは全日本選手権初優勝のモトバムチーム、自身も初優勝、そしてモトバム初の年間チャンピオンまで獲得した。普段はすっ呆けた顔をしているくせに良く頑張った榎戸選手。
俺とモトバムの関りは深い、今は亡き池澤さん(池さんの愛称で、俺の初期の頃のコラムには度々登場している)のチームだ。池さんが生きていたら喜んだろうな、何だか不思議に悔しくなく、バムさんにお祝いしたよ。
GP2の水野は残念な結果に終わった。選んだタイヤが合わず、序盤こそ頑張っていたけど我慢のレースになってしまった。それでも終わってみればランキング3位、前半戦の不調を考えれば悪くないのかな?来年に真価を発揮出来れば良いし、必ずそうなるだろうと信じている。
最後は巧。今年はとても苦戦した。使い慣れた昨年までのパッケージから、サス・ブレーキ諸々変更した事が上手く機能せず低迷してしまった。今シーズンは走行後の巧がいつも渋い顔で、バイクレースが楽しめず苦悩の表情ばかりだったな。
俺達は懸命にバイクを良くしようと努力したが、難しかった。やっとまとまって来たのが岡山、最終戦では巧自身初の5秒台に入れ、今シーズン初めて納得顔をみせていたな。それでも決勝では絶対チャンピオン?に差を付けられたので、来年こそはリベンジ出来るバイクを作りたいモンだ。
全戦が終了し恒例の打ち上げ。ホンダファミリーの納会から始まってムサシチームの打ち上げまで、一気に突っ走った。チャンピオンは獲れなかったけど、みんな頑張った。終わってしまった事はしょうがない、反省はするけど悔やむ必要は無い、それ位みんな頑張っていたよ。
いい感じで酔っ払ってホテルに帰り、朝6時起きで打ち上げのゴルフ。不思議?にいつもスコアが悪い、気持ちがゴルフに向かないのか俺が適当なのか?まあ、簡単に言えばヘタクソなだけなんだけどね。(苦笑)