Vol.238 2016年正月

新年明けましておめでとうございます。
2016年がどんな年になるか、どんな年にするか、俺達は今年もレース活動は当然やるし、やる限りはチャンピオンを目標に頑張る事に変わりはない。
90年代から継続している若手育成にも力を緩めない。ムサシスカラシップトレーニングも継続するつもりで、近々今年のセレクションを行う予定。

最近は国内に飽き足らずアジアを中心としたプロジェクトに参加する若年ライダーが増え、国内のレースに参加する有能な若いライダーが減少している。
各地方戦ではレース成立が難しくなっている現状がある。若いライダーは自力でレース活動は出来ない、いきおい親御さんの負担となる訳で、育ち盛りの子供を抱えながらのレース活動は経済的に容易で無い事は想像できる。ハルク・プロの若手育成のプロジェクトは、単純に速そうなライダーにマシンを貸与したりパーツサポートしたりといった物では無く
基本から長い時間を掛けて育成に努めるものなんだ。当然コストも相当かさむが、その部分で俺達が関与しないと全てが親御さんに掛かってしまい継続的に出来る人達は限定されてしまう。若手育成やチームの育成なんて安易に言われると、長年継続的にやっている俺達から言わせれば・・・(苦笑)

何はともあれ日本のレースが魅力のあるものにならないと現状は打破出来ない。何故海外にのみ目が向くのかな?やっぱりプロモーションが下手なんだろうね。野球なんか見ていて、有能な選手がこぞってメジャーリーグに出て行き、国内の野球が廃れるかなと思っていたけど、どっこい結構な人気だ。TVだって以前のように中継する分けじゃ無し、全てがTVな訳でもないようだ。もちろんTVは有効な手段である事は間違いない、しかし日本の野球を見ているとそうでもない。誰か頭の良い人が上手い事やってくれないモンかな。

全日本の現場は以前に比べ劇的に整然としている。カラーリングされたトランスポーター、揃いのチームウエアー、パーテーションにより整然としたピット。それらはすべて各チームが自力で行った成果。ARTは各チームに指針を示し方向付けしているだけ。これらの努力を無駄にしないようにプロモーションして欲しいモンだ。

今年はJSBクラスで二回セミ耐久レースが組まれている、鈴鹿の2&4と菅生。少し問題かなと思うのは、セミ耐久に参加を呼び掛ける施策でプラス10ポイントが付与されるというもの。一人で走るなら分かるが、もし優勝可能なライダーがサブでペアを組むライダーが居て現実に優勝したとする、それも2レース。このペアライダーは全日本に出ているライダーではなくても、2レースで合計50ポイント+ボーナス20ポイントで合計70ポイントも稼いでしまうんだ。これが全日本ランキングに反映されてしまう事実。この+10ポイント政策は、菅生の参加促進のために発案されたものだったがヤバイ事になってしまった。(汗)こういった場当たり的な施策が全日本の価値を下げてしまう結果になるんじゃないかな。スプリントレースと耐久レースは同一線上では語れないという事だね。

そんな環境下においても俺達ハルク・プロは今年も精一杯頑張る。若手ライダーを育成し全日本を盛り上げ、アジアのレースを一気に高いレベルに引き上げたブンシューホンダやアストラホンダを育成した事実。それを目標にする多くの日本チーム・ライダーをアジアに送り出す作業。まだまだやらなきゃならないことが山積してる。