Vol.226 全日本終盤戦
鈴鹿の8耐が終わってからの全日本後半戦。今年は各ライダーが結構頑張っている。
GP3の涼は、菅生のウエットレースを制してランキングトップへ浮上。GP2のナオは、いいところまで行っているけど、つまらないミスがもったいない。それでもまだまだチャンピオンの目はある。巧は最近この時期は必ずランキングトップに位置している。サポートチームを立ち上げ頑張っている龍太もランキングトップ。何だかみんな調子がいい。
そんな事を思った瞬間に夢は崩れる(最終ホールまで3オーバー、「よし!このホールパーなら30台だ」そこで大叩き)。良くある事だ(苦笑)。
先日の岡山がそうだった。龍太が優勝した以外はみんな落とした。涼はトップグループに割って入り狙っていた時、コーナー進入でいきなり横を吹っ飛んで行くマシンが。涼は「それは無理でしょう」と思った途端、前を走っていた大久保の横っ腹に鳥羽が突っ込んだ。あやうく難を逃れたがトップとは3秒ほど離れてしまった。若いライダーは時として無謀なライディングをするものだが、可哀想なのは突っ込まれた大久保。普段は独特のキャラで天然ポイ奴だが、ライディングのセンスは悪く無い。レースは何でも一瞬勝負、ひとたび事が起きたら取り返しがつかない。
先日のオートポリス。JSBクラスで転倒が出た。ヘアピンの真ん中、コース上にマシンで、その外側にライダーが横たわり、オフィシャルも駆け付けている。そんな状況でもSCも出ない、赤旗も無い。あれが危険な状況じゃ無かったらどんな状況なら赤旗、またはSCなんだろう。
俺は我慢出来ずにコントロールタワーに駆け上がって「お前ら、ライダーやオフィシャルの命を軽く考えすぎだろ」と怒鳴ったよ。今まで数多くの問題を起こしているAP。彼等の問題意識の低さを物語っている出来事だった。
もっとも、それらを監督するべき人物も居たんだけどね。審査委員長でRR委員長の御仁。
俺が言っている事は人命の安全に関するもの。あなたがやらなかったら誰がやるの?その時の御仁の言葉「そんなに危険、危険と言うならレース止めなさいよ、レースは元々危険なんだから」•••ハア~!?
俺は開いた口が閉まらなかったよ。思い出すたびに胸糞が悪かった。だいぶ落ち着いたけどね。
俺達は以前からレース中に起こるアクシデントや、そのきっかけになるような危険な走りを何とか止めようとレースディレクターの導入を進言している。これはF1やGPでは当たり前のようにある制度。全日本も選手権なら導入し、危険な走りを監視して当該大会だけのペナルティに留めるだけでは無くせばいいんだよ。前述の岡山のライダーだって、終わった事って感じで済まさなければ次は気を付けるようになるだろうし、無責任な顔して審査委員室でお菓子喰って時間潰している御仁も必要なくなる。
岡山のレースが終わって、ランキングトップを守ったのは龍太だけ。最終戦に勝負を賭けることになってしまった。
その龍太、俺が岡山で出したハルク賞でウチの社員を誘って御馳走してくれた。龍太はもてぎで初優勝した時にやるって言っていたけど、トボケテいた。2勝目で約束守ってくれたよ。みんなで美味しく頂きました(笑)。
今週はもてぎでGP。タカを地元で男にしてやらなければ。先週から光太郎とミーティングを重ね、導き出したセッティング。タカが走り終わった後の嬉しそうな顔を見たいモンだ。