Vol.215 日本グランプリ・MFJグランプリ

今年の日本GP(もてぎ)はひどい事になった。木曜日からもてぎに入り、タカのチームスタッフとミーティングし互いの意見を交換した。俺は最近、タカのマシンに異常を感じていた。前回のフィリップアイランドではどんなにセッティングを変えても一向に良くならず、結局何も良くならないままレースを終えたし、その前のセパンでも同様に不調だった。

俺達はマシンの基本データなんて知らないし、教えてももらえない。実際にコースを走ってデータ収集をしてセッティングを決めてきた。チームの連中も基本データは知らないと言っていたけど、本当かね?それじゃ「お前この鉄砲で戦争してこい」と言われて自分の鉄砲の射程距離も分からないで戦うようなもの。ケンカにならない(苦笑)。

コースを走るマシンの状態を目を凝らして見て、後でデータを見てその再確認をする。いくらセッティングを変えても良くならないとすれば、セッティングの方向が間違っているかマシンに異常があるかだ。シーズンの終盤戦になってセッティングが決まらないなんていうこと自体、普通ではありえない事だ。俺はフレームの交換を進言した。

チームは最後まで抵抗していたが(使えば支払いが発生するから?)最後は折れてやっと新品のフレームになった。ところが神様はいじわる。もてぎ周辺は厚い雲で、宇都宮あたりはもっと霧が深いらしい。緊急用のヘリコプターが飛んで来れないのでフリープラクティスが出来ない。やっと走れたのが土曜日の午後でウエット。しかもそれを、いきなり予選セッションにしたんだ。すごいね。全日本でそんな事やったらどれだけ文句が出るか。

さすがに一発で新品のフレームをセッティングし切れなかった俺達はとんでもないポジションに沈んだ。チームオーナーは顔を真っ赤にして怒ってたよ。「俺のせいじゃない。知らねえよ」。険悪な雰囲気になってしまった(苦笑)。

決勝はドライ。普通にセッティングしたら、普段のタカの走りに戻っていたな。決勝でいきなり使った事も無いブレーキディスクを使用しなければ、もっと序盤のペースが良かっただろうに。2シーズン近く付き合っても良く分からない連中だね(笑)。

全日本最終戦鈴鹿は、珍しく?雨に祟られなかった。

GP3では水野涼が初めての鈴鹿に戸惑いながら8位ゴール。ST600では相変わらず苦戦の亀谷が頑張っていたが、どうにもならなかったな。

笑ったのがGP2のナオ。序盤に130Rでオーバーラン(ギヤ抜けらしい)12・3位まで落ちたが怒涛の追い上げ。トップに追いついたら又同じところでオーバーラン。二度目だから復帰も早かった。井筒曰く、「出たから、良しと思ったら目の前に戻って来た」だって(笑)。

最後は渾身のラップでトップチェッカー。前から「お前は速い」「出来る」と言ってきたが、やっと眠りから覚めたかな?(また来年の春までに寝なけりゃいいが)

JSBの2レース目は最高に頭に来た。レース中、スプーン立ち上がりでトップグループが雨をアピール。みんなスピードを緩めたが一人だけ「関係ねえ~」と、カッ飛んでいった。若い渡辺。それもどうかと思うが、戸惑っている間に中須賀もペースアップ。あっという間に2台が離れてしまった。普段コンマ1秒の世界で争っている相手だ。追いつく訳が無い。

問題は主催者だ。何故その状況を見て、即座にSCを導入する機転が効かなかったか?

何のために毎回SCの訓練をやっているんだ。ライダー達に訓練を強要してるくせに、自分たちは訓練をしていないから咄嗟の機転が効かないんだ。真面目にやって欲しい。

俺はレース2を認める事が出来なかった。レース後の再車検なんて受けたらレース終了だ。納得のいかないレースを認めてしまう事になるのがイヤで、駄々をこねてた(怒)。

最後まで運営側からは何の説明も無かった。何がMFJグランプリだ、ちゃんちゃら可笑しくて、おへそが茶を沸かすぜ。

釈然としない気持ちだったが、終わってしまったものはしょうがない。大体からしてそんなギリギリの状況になっていた事が問題なんだ。ブッチギリで最終戦前にチャンピオンを決める位の余裕が欲しい。来年こそは!なあ、巧。

打ち上げは珍しくお昼頃?で終わった。翌日はみんなでゴルフ。「あれっ?しげきさん酔って無いね」朝みんなから言われた。そう、毎年このコンペは酔っ払って参加しているのが恒例になっていたから(苦笑)。まあ、スコアはどっちにしても同じようなモンだけどね。