Vol.208 2013年へレス

成田空港でタカのお母さんに会った。かなり急いでいる風で、挨拶もそこそこに姿を消した(後で聞いたら、搭乗時間に遅れギリギリだったらしい(苦笑))。

前回のアメリカは時間に余裕が無かったので今回は少し余裕を持っての移動。パリ経由スペインはマラガ国際空港へ、ここで一拍して翌日へレスに向かった。

へレスはヨーロッパ最南端に近く、ジブラルタル海峡の向こうはアフリカ大陸!♪ここ~はチェ二スかモロッコか~♪関係無いけど歌が出て来る(苦笑)。望郷の念って言うか、ヤッパリ遠さを感じるね。

前回アメリカでは思わぬトラブルに見舞われレースを失ったタカだが、調子は悪くない。FP1からトップグループに喰らい付いく作戦は今回も健在だった。

今年のへレスは異常な暑さに見舞われ、気温こそ25度チョッとだが路面温度は50度近くに。セッティング云々よりも合うタイヤが無い。何とかタイヤを持たせながらタイムを失わないようなセッティングを模索したウイークだった。

木曜日にへレスサーキット内でチョッとしたイベントがあった。1993年、当時250クラスに参戦していた若井伸之が、不慮の事故で亡くなってから20年の節目になる、彼のシンボルだったフラミンゴの像がパドック裏からパドック入口近くの小山に移設された。記念植樹もされ、志半ばで逝った故人を偲んだ。前日、誰かが「大変だ、フラミンゴが無くなった、明日イベントなのに」何のことは無い、ドルナのスタッフが気を利かせて磨きに出してくれていたそうだ。お陰で当日フラミンゴはピカピカになっていた。どう言った連絡系統かは知らないが、こう云った心遣いが嬉しいね。

予選では路面温度が更に上がり、思ったようにタイムを上げる事は出来なかったが、フロントローは確保。決勝に向けての作戦会議が長引いた。

「しげきさん!」ピットの奥から声が、ヒロだった。今回ヒロなかなか好調に見え、さすが走りなれたへレスに来ると違うな、セッティングについてもコースサイドから見た情報を余す事無く伝えた。ヒロは俺のアドバイスを参考にしたかどうか分からないが、イイ感じの走りになってきたので少しホッとしたよ。そんな時に限ってせっかくいいポジションだったのに決勝はエンジントラブルでリタイヤ。ついてない。

岡田監督率いるチームアジア。今回からニューフレーム投入で期待を抱いた。残念ながらレースウイークの金曜日からだったので、セッティングを決める事が出来なかったが今後に期待だね。

タカは完全なセッティングを見いだせないまま決勝を迎えた。俺はタカに「積極的に3位狙いのレースも必要だ。チャンピオンシップを考えたらむやみに行って自爆する事は無い」と伝えた。レースは攻める事も大事だ。しかし思うようなマシンになっていないのに攻めれば結果は見えている。実際タカは我慢した。本当は行きたかっただろう。我慢のレースはきつかっただろう。それでもタカは良く我慢した。終盤エスパルガロとバトルになったが、タカのマシンには戦うだけのタイヤが残っていなかった。それでも必死に喰らい付くタカを見て(この経験だよ、絶対後で生きてくる)ヒロやユーキだってこういう経験を何度もして頂点に立ったんだ。

結果は満足するものでは無かったが、戦い終わったタカが一言「長かった~」。この言葉が全てを言い表していた。

序盤3戦に帯同して3位表彰台が一回。少ねえな~。俺は何しに来てたんだろう?自分の実力不足に苛まれながらへレスを後にした。

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