Vol.179 岡山からもてぎへ

オートポリスが終わってから翌週に岡山でテストがあった以外は特にイベントは無かった。岡山のテストではマシンのセッティング等は大差なく(シーズン後半戦だから当り前か?)完熟走行に徹した。毎戦行われる事前テストだが、シーズンも後半戦になれば大体どのチーム・マシンもセットは固まっている筈で、それほど重要だとは思わない。テスト機会はあればやりたくなるのは人情で、みんながやらなければイコールコンディションなので焦りも生まれない。

全日本ロードレース選手権は各施設(サーキット)の主催によって行われている。統括しているのはMFJだが、実践部隊は施設なんだ。俺達は参加者だからいつも大体同じ顔ぶれで、イベントがある施設に各地から集まる。集まってくるメンバーは同じだが受け入れ側は毎回違う。

時折感じる事だが、何故?全日本選手権の看板を付けながら、同じ決め事で運営が出来ないのか?なぜ俺達は毎回違う施設でその施設の決め事に合わせなければならないのか?非合理的なんじゃないかな。

岡山の事前テストは折からの台風が日本列島を縦断していったその最中で行われた。各地の学校が休校になり「外へ出ると危険なので自宅待機して身の安全を確保しなさい」災害警報が発令されている時、岡山では普通にスポーツ走行が行われた。こういった場合、施設によってはライダーの危険防止の観点から走行を見合わせる措置をとっている。俺はTSR藤井に促され、こういった場合岡山では走行中止等の措置を取らないのかを確認に行った。答えは「当施設ではそのような措置を講じておりません」

先述のように、ライダーは走行機会があれば走りたい。ましてライバルが走っていれば尚更だ。結果、走れるかどうか分からなくても走行券を購入し、雨風の具合、ライバルチームの動向に目を凝らし無駄な走行料を払う。

全日本選手権を開催する施設では事前テストの走行料収入も開催コストの計算に組み込まれているのだろう。だから多少のリスクを冒しても、走行中止に踏み切らないのだと感じた。

大きな成果も無く帰途に就いた俺達を待っていたのは、高速道路通行止めの知らせ。「行ける所まで行き開通を待とう」途中RS-ITOHのトラックが勢いよく抜いて行ったので、俺は電話で「伊藤ちゃん、そんなに急いでどこ行くの?」彼は「一人で運転なので、行けるところまでなるべく進む」と答えていたが、俺達が会社に着いたのはそれから16時間後だったことを考えると、伊藤ちゃんは一人で・・・。その後、話をしていないので定かではないが、まあ、昔から言う「便りが無いのは無事な証拠」ことわざを信じよう(苦笑)

先週はタカがもてぎのGPに代役で参加したので応援に行った。

ITAL TRANS チームで、マシンはスッター。まったくデータがないので苦戦したが、何とかまとまりが付きかけた決勝朝フリーで、新品に換えたクラッチが悪さをし、3コーナーで転倒、肩甲骨を骨折してレースをリタイヤする羽目になってしまった。

その時、俺は1コーナー入り口で状態を見ていたが(ヤバイ!気を付けないと)と瞬間、感じた。速攻で3コーナーの方へ移動中に黄旗振動(悪い予感。)まさに、タカだった。念願のレースには出られなかったタカだが、チームのタカに対する印象は最高で、来年につながる走りは見せられたと思っている。

モトGPクラスのヒロは苦しい展開だったな(汗。)最初から喰わないタイヤに翻弄されたレースになってしまったのが残念だった。来年の動向も含めて身辺世話しなくなっている中でのレース。

ガンバレ!ヒロ、今年残りのレースでオマエの培ってきた全てを出せ。