Vol.172 2011 鈴鹿2&4
長いシーズンオフが終わり、やっとレースが出来た。
鈴鹿2&4は春の名物レースだ。震災の影響で開幕が遅れたが、始まってしまえば参加する人間の気持ちは同じ。「勝つ!」この気持ちに限る
レースウイーク。特別走行日の木曜日はあいにくの雨、かなりの量だったが俺達はひたすら走った。昨年の後半、ウエット走行ではまったく話にならなかった経験から、とにかく走り込むことに専念したんだ。
明けて金曜日の走行は完全ドライ。前回のテストで好感触だったセットで臨むが・・・思ったようにタイムが上がって来ない(汗)
様々なセッティングをトライする中でタイムだけなら何とか上位に追いつく事が出来たので、明日の予選に向けて仕様が固まってきた。
予選。俺達には課題があった、決勝に向けて進めている仕様の中で、使用タイヤがレースラップをこなせていないのだ。
ブリヂストンさんはとても慎重で、数あるタイヤの中で選ぶのは自由、しかしレースに向けての投入には使用実績が必要だ。
感じがいいからと言って、いきなりレースに使う事は許されない。それだけユーザーの安全に気を使っているということだね。他のチームがいいといっても自分のチームのセットではNGかもしれないから。当り前のことである。
今年、数少ないテストの中でチョイスしたタイヤは土曜日の予選には適していたようだ。
自己ベストを1秒上回り、6秒台にもう少しのところまで進んだから。
明けて日曜日の決勝。朝から快晴で絶好のレース日和、俺達は朝フリーで最後の確認。なかなかいい感じだ、しかし・・・。
決勝が始まる頃、俺達の頭を不安が横切った、やけに暖かいんだ。「堀尾!路面温度は?」俺は「高いね」と言うしかない。すでにタイヤマーキングを済ませた状況ではどうにもならない。
若干スタートで出遅れた巧が2コーナーをイン側から立ちあがった時、かなりリヤが滑った。モニターでも確認出来たくらいだから大分滑ったのだろう。アドバイザー岡田が、「滑ったね」俺は「インからだからじゃない?」多分に願いを込めての返答だったが現実は厳しい。4位争いに付いて行くのが精一杯の内容だった。(汗)
パワーのあるマシンはタイヤが生命線だ、少し外せばまったく勝負にならない。せめてギリギリまでタイヤチョイスを出来る規則であって欲しいな。
久し振りのレースで、夜も毎晩忙しかった(汗)自分の年齢は毎年上がって行くが体力はそれに応じて下がって行く。当り前のことだ。
それでも頑張って皆さんにお付き合い、有意義なレースウイークでした。(冷汗)
帰りの車中は、俺と巧、今年からヘルパーをお願いしている美樹さんの三人。巧と美樹さんの掛け合いが面白く。あっと言う間に東京に到着だった。
「巧!あれだけ元気に会話が出来るなら、サーキットでもちゃんと話しろ!」(苦笑)