Vol.157   試練!

悪夢の岡山から帰り、俺達は最近起こっている事象について散々討議を重ねた。
オートバイは無機質である。何か不都合が起きる時は必ず物理的な原因があるはずなんだ。
俺達が悩まされている最近の事象には何か違う力が働いているのか?と、疑いたくなるくらいの“モノ”なんだ。

先日も新規組みしたエンジンを搭載して、もてぎに走行に行ったところ「又かよ!?」もう、ホントに分からない。長い事レースをやっていて、こんな事は初めての経験だ。(汗)
ある人は「もう、お祓いしかないな」言う。だけど俺達のやっている事は最先端の技術を以って戦うレースなんだ、ここは一番、見えない“敵”と闘うしかない。

エンジンをバラす手順、工具、部品洗浄のための洗浄槽、部品計測の計測器、エンジン組立ての手順、トルク管理用の工具、組み立てに使う油脂類等々。全部確認しながらの作業だ。これは試練だ!絶対にやり抜かないと先が無い、ここで音を上げたら俺達のやってきた事全てを否定する事になってしまう。
世間が三連休で賑わっているなか、ハルクの面々は黙々と作業にいそしんでいる。

先日はセパンのレースで興奮した。ヒロが本当に頑張っていた。レース終盤ここが勝負どころという時に何度もシモンチェリにフタをされ、前に行くのを阻まれたから結果7位だったが、マシンの状態もすごく良くなっているしヒロ自身も良く乗れていた。
残り少ないレースだが、来年につながるレースをしたと思うし今後が更に楽しみになってきた。本来だったら俺も現場で応援していたはずなんだけど、何を勘違いしたか、俺はハナから今年のセパンはもてぎと被っていると勘違いしていて、エアチケットの手配もしていなかった。(ホントに思い込みは怖い)
実際は現場よりもTVの方が良く見えるからいいんだけど、(大概現場に行ってもTVモニターで見ていることが多い。)ヤッパリ臨場感というか、現場の方がいいよね。
モト2ではトニー・エリアスがチャンピオンになった。マシンはご存じモリワキフレーム。俺はモト2には興味が無いけど(今は)今年から始まった新しいカテゴリーでの初代チャンピオンマシン。モリワキさんには本当におめでとうと言いたい。

もてぎのレースでは先鋒のナオが頑張り、初表彰台をGET。幸先がいいと思ったが、良かったのはナオだけ。今回も金曜日に例の事件が起こり、ハルクのピットは沈んでいた。それでも龍太は頑張り、序盤はトップグループに喰らい付いていた。俺達のパッケージでは最良のレースをしたと言える。タカはもっとひどく、何も出来ない状態で17位前後に終始してしまった。タカのポテンシャルは十分分かっているだけに何とも情けない結果だよ。(トホホ)
巧も負の連鎖?か、朝に講じたセッティングが裏目に出て前に行けない。もう今のハルクは完全にハマっている感があるよ。長いレース人生だから何度もこんな経験はあるが、それにしてもひどい。とどめは小西。スタート後の1・2周はタイヤを温めるためにペースが上がらないのは分かっていたが、その後ペースを取り戻した時にシフトダウンでミスをして、3コーナーを飛び出してしまった。幸い転倒は免れレース復帰したが、あのレース巧者のコニーまでもこんな事になるとは・・・(ホントにお祓い行こうかな?)

最近謙太がGP-MONOでは強さを示している。ライバルと言えば小室しかいない状態だ。しかし謙太は125に乗ると子猫ちゃんになってしまう、不思議なモンだよ。謙太の唯一のライバル小室は、今年こそはチャンピオンを!と、意気込んでいただけに何とも複雑な状況だ。最終戦の鈴鹿でガチ勝負が見られるな。若さで謙太、経験で小室。俺達が作ったGP-MONOも、全日本選手権の一角に根付いた感があり、チャンピオンの行方も興味深々だ。
そう言えば同じ日にフィリップアイランドでMOTO-GPが行われてた、俺は速報でTSRのマシンが優勝したことを知り、藤井にお祝いの言葉をかけたよ。自分たちのオリジナルマシンが優勝する、こんなに嬉しい事はない。良かったな藤井。

今日はみんな鈴鹿の事前テストだ。今の悪い流れを払拭するためにはしっかりテストをやるしかない。それが俺達のトンネルを抜ける唯一の方法だから。

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