Vol.156    最悪の岡山

何もかもが上手くいかない。
まったく何をやっても上手く行かない時がある。今回の岡山はまったくそのパターンだったな。最近ハルクに起きている不思議?な事象が消えない、龍太もタカもまんまとハマった。オートバイのレースは機械を使うものだからトラブルは付き物との認識は持っている。しかし、それにしても最近トラブルが多い。
ライダーがコースインし、予期せぬピットインをしてくると全員に緊張が走る。それくらいトラブルが多発しているんだ。

俺達は長い事レースをやっている。その事は裏返せば多くの経験値があるという事なんだけど、その経験値をあざ笑うかのように次から次へとトラブルが出る。最近のハルクは攻める事より守りの手法が多くなってきた。
言うまでも無く、マシントラブルは時としてライダー達の安全を脅かすことになる、俺達はそのことがもっとも心配なんだ。

レースは125のナオが予選2番手!と、一人気を吐いた。決勝でも序盤トップを走ったり、頑張っているのでみんな勇気づけられた。結果は7位だったが、ナオも少しずつポテンシャルを発揮し始めてきたから今後が楽しみだ。

問題の600。龍太・タカ二人とも“本来”の予選順位から遠い場所からのスタートだった。一度目のスタート。龍太が素晴らしいダッシュ、1周目6位で戻って来たが後方で多重クラッシュがあり赤旗、再レース。(ついてない)
次のサイティッグラップで龍太車に電装系のトラブル。考えられるパーツを速攻で交換したが、ウォームアップラップから戻ってグリッドに着く時龍太が首を横に振っていた。(治ってないな?)その後のレースで龍太は思い通りにならないマシンを懸命に走らせていた。
タカは、赤旗中段後に異常な水温上昇を訴えていたがどうにもならない。(涙)
タカのレースも我慢を強いたモノになってしまった。

前日の予選Q2でノックアウトされた巧。難しい路面コンディションを掴み切れずまったくいいところを出せずに終わってしまった。巧のマシンは特別大きなトラブルは出ていないが、巧自身がなぜか?ピンと来ない。スリックタイヤで走る時はそこそこ走るが、それも巧のポテンシャルを考えるとイマイチ物足りない。
予選20番手!最悪のポジションからスタートする巧に、俺は「一周目で10人くらいは抜ける、その後は最低一周一人ずつ抜けばいい」アドバイスした。巧はその通り実践したが、トップグループは遥か彼方、万事休した。

俺達がレースに出掛け、一つも表彰台に登らず帰ってくる。レースをやっている人達はみんな一人残らずレースに勝つためにやってくる、負けるために来るチーム・ライダーなんかいない。
レースに出掛けて負けて帰ってくる時、次のレースは絶対負けないという強い気持ちが必要なんだ。俺達はそんな気持ちで岡山を後にした。

今回のレースではTSR藤井氏やスクエア松本浩ちゃん達に助けられた、持つべきものは友達だな、俺達のレースは多くの支えてくれている人達で成り立っている。

次回はもてぎ、俺達の地元コースみたいなものだから頑張ろう。支えてくれている人達に報いるためにも。