Vol.137   出戻りライダー達?

携帯に着信が何度もある、周平からだ。俺は(奴も覚悟を決めたな)感じた。
周平に連絡をすると「引退してオートレースに行くために頑張ります」単刀直入な言い方だった。以前より俺は「GPもいいけど、金にならずに家族に迷惑をかけるなら別の道も選択肢のひとつだぞ」言ってたから驚きはしなかったが、実際に聞かされると一抹の寂しさを感じたよ。
周平がウチへ来た時はまだホントの子供で、確か小学生だったよな。どちらかと言えば小柄な周平が、もて耐ではCBR600Fに乗って頑張ってた。ホントに小さな子どもが、必死にマシンにしがみついてる感じで、微笑ましく思えたモンだ。
その後全日本で125と250で二度のチャンピオンに輝き、世界に飛び立って行った。
順風満帆と思われたレース人生が微妙に狂い始め、昨年はとうとうシートを失った周平が、起死回生の一発でもてぎ6位!ところが・・・シーズン終盤に自費で渡航し、数戦走るチャンスを得たが今年に繋がらなかった。
元々抜群のセンスを持ち、ポン乗りでも何とかするその才能が裏目に出て、便利なライダーではあるけど、GPチャンピオンシップのレギュラーにはなり切れなかったな。
周平の第二のレース人生はまだスタートもしていないが、アイツの事だ、慣れないマシンでもポンと乗ってすぐに頭角を現すだろう。そうしたら俺は川口でも浜松でも行くよ、周平を頭に車券買いに。(笑)

中上貴晶のST600参戦が本格的に決まった。前述の周平と同じくGPチャンピオンシップのシートから滑り落ちたタカはまだ若い。GPでも何かと面倒見てくれた坪内さんが「休ませたくないんだよな」言って、俺も同じ考えから「じゃあ全日本でリスタートかな?」
二人の意見は一致した。先日も各方面に挨拶に行き、再び全日本を走る報告とお願いに回ってきた。
タカが全日本にカムバックするのはいいが、アイツは125以外乗った事が無い。(ミニバイクとGP-MONOだけ)
しょうが無いので今度はタカを連れて集中トレーニングだ。日本では寒いし中々集中的にコースを使用出来る環境が無い。
俺は先日、冬恒例の南の島ツアーから帰ったばかりだから暖かい場所が恋しい、そこで600チームは大将になった龍太と共に、ウインタートレーニングに行くことにした。1週間の予定でメニューを作ったが、実質3日間位しか走行枠が取れなかった。(泣)現地のAPホンダの連中はついでにメカニカルスクールもやって欲しいと要望する、それを聞きつけたマレーシアのブンシューホンダが「ウチも混ぜて欲しい」仲間に入りたがって来た。
何だか分からなくなってきたけど、たくさん入れば賑やかで楽しいからいいか。(苦笑)
俺は昼間と夜、両方忙しくなるぞ。(汗)APホンダ社長の桜井さん、taiga performanceブランドをタイで立ち上げ、社長になったハルクのメカニックだったマット、40年来の友人である、タイエンデュランスのトミー、ラタパの父ちゃんクリスマス、コーリン等など書き切れない。まあ、タイは暑いから、アルコールも汗になって飛びやすいので大丈夫だろう??