Vol.136   2010年の体制

何だか最近時間が経つのが早い、ついこの間正月だったのに。

少しずつ今年のチーム体制が固まってきた。
GP-3の浦本修充は15歳で身長183cm、巨人か?(俺が小さいだけだけど)先日クシタニさんに行き、レーシングスーツを作るために採寸をした際、いつもレーシングサービスに来てくれている六浦さんが「あれ~?足りないかな」なんと背が高過ぎていつも使っているメジャーが足りなかった。信じられない、俺なんか余る事はあっても足りないなんて・・・。こんなにデカイ奴が125に身体を預ける姿を想像しただけで笑っちゃうよ。でも、それが将来必ず役に立つ事なんだ、身体を使ってマシンの挙動を変える、ほんの小さなアクションがマシンに大きな影響を及ぼす、大きな身体で小さなマシンを操るメリットがそこにある。コニーなんか毎日のようにミニバイクに乗ってそのデリケートな部分の練習をしているよ。浦本修充、将来日本を背負って立つライダーになれるか、今年からその道を登り始める。

小林龍太はウチに来てからST600の3シーズン目になる(早いモンだ)去年までは常に目の前に小西がいたが今年からは居ない、自分が基準になって頑張らなければならない。全日本ST600クラスの半分はハルクからチャンピオンを輩出しているんだ、その歴史を龍太が引き継ぐ重責を担っている。頑張れ!そして頼むぞ龍太。

そのST600クラスに小西に代わって登場しそうな雰囲気?になっているのが、ナント!中上貴晶。タカは今年どうしてもGPのシートがGET出来ず、面倒見のいい坪ちゃん(言わずと知れたGPカメラマンの重鎮)が「ハルクしか無いから」勝手に決めて全日本にカムバックしそうなんだ。何だかウチの卒業生はみんなダメだな、みんな出戻りじゃない(苦笑)世界で覚えた技術を全日本の600で生かす事が出来れば、再び世界への扉が開かれることだろう。なんたってまだ17歳!若い。

こいつも出戻り、高橋巧。去年までBBの小園カッちゃんが面倒見ていたが、どうしてもBSでレースがやりたくて戻って来た。カッちゃんが「世界に行かせたかったんだけど」言ってたので、ずいぶん考えたが本人はいたってノンビリ屋。「もっと速くなってチャンピオン獲りたいです」俺達の思惑とライダーの思考には何時の時代も差異がある。
結果的に自分のチームの先輩でもある辰也を押し出す形でウチのシートの座る巧が、どんな走りを見せるか?楽しみでもある。

過去3度の全日本ST600クラスチャンピオンに輝いたコニーは、今年新たなチャレンジ。JGP-2クラスは俺がかねてからやりたかったクラス。ST600に限界を感じ、新たな改造クラスがやりたかった、コニーが現役でいる間に出来て良かったよ。若いライダーでやるよりも仕事が早いと思うから。最終的にオリジナルマシンまで行き着くと思うが、初期的にはST改でいい、楽しくやりたいモンだ。

先日ワールド筑波の橋本さんが亡くなった。俺がレース専門ガレージである今のハルク・プロを立ち上げ挨拶に行った頃は隆盛を誇り、畝本久、清水雅浩、岡田忠之、青木三兄弟、小野真央、他、数えきれない位のライダーを輩出した関東の名門チームである。昨年から体調が悪く、去年会った時「俺はもうダメだ、お前達が頑張れよ」最後の会話だったな。晩年現場に顔を出さなかったこともあり、葬儀の参列者は昔の顔が多かったが、俺達の業界に多大な貢献をした一人の先輩が逝ってしまった。ご冥福をお祈り致します。