Vol.82 シーズン直前
このところ連チャンでテストが続いている。長いシーズンオフだけどスタートすると一気に戦闘モードに入ってしまうからレースは恐い。
俺達は今年、CBR1000が新型になったのでテストがしたくてしょうがない。ヤッパリいくら慣れているとは言っても不安なものだ。案の定ヤスも冴えない顔している、マシンとうまく行ってないんだな。俺は普段テストの時はコースサイドでマシンの動きやライダーを見ているんだ、ところが今時期のもてぎは凄く花粉が舞っているので大変。俺は花粉症じゃないけどその凄さは並じゃない、龍太なんか花粉症で最悪、泣きながら走ってたよ。走り終えてピットに戻ってきた時の顔は思わず笑っちゃう、顔中鼻水と涙でグシャグシャなんだ。(笑)良く走れるよな。
そう言えば池さんのチームがエリアに出場して、ブッチギリでトップを走ってたら、V字コーナーのところで突然クシャミが出て、止まり切れずに転倒したって言ってた。池さんは笑いながら言ってたけど笑い事じゃないよな、明日はわが身だ気を付けよう。だけど、ライダーには色んなアドバイスしてきたけど「クシャミに気を付けろ」
あんまり冴えないアドバイスだな。(笑)池さんゴメン
鈴鹿で転倒し慎重になっている小西も、少しづつ勘が戻ってきたようだ。何とか開幕までには調子を合わせてこれる位になってきた、まあベテランだからそんなに心配はしてないけど。龍太も敵は花粉だけで、走りは少しづつ良くなってきた、あわてずに育てれば必ず速くなるライダーだから、今は自信を付けさせて自身のいい部分を引き出す努力をして行けば、自ずと結果は付いて来ると信じてる。
問題はヤス。どうもうまく噛み合わない、俺達も新型CBRの特性がまだ掴めてないので、極めてもどかしい。(汗)
俺個人的にはいちばん楽しい時期なんだけど、チーフの堀尾やメカの鈴木、もちろんヤスはいちばん浮かない顔をしている。「いい~んだよ!慌てる事無い」じっくりマシンと向き合って問題を消去していけばそのウチ自然に回答が見えて来る、その時は俺達が笑う時だ、いつも上手く行ってばかりじゃ進歩が無い、問題にぶち当たった時こそが仕事として遣り甲斐があるもんだ、な~んて自分を納得させている。
来週は鈴鹿でテストやって頭をリセットしよう、もてぎじゃ見えなかった物に気が付くかもしれない。
忠さんのコラムを見たら、ナント!忠さんがネクタイしてる写真があった。俺はビックリして本文を読んだ。何でも衆議院議員の松浪ケンタ(漢字わからない)氏がバイクの環境を良くするためのセミナーを企画して、その発起人の一人になったみたいなんだ。その第一回のセミナーが25日にあるらしいけど、俺は鈴鹿に行かなくちゃならないので欠席。最近バイクにまつわる規制が必要以上に厳しいと思うのは俺も同感なので、参加したい気持ちは有るけど、俺の当面の問題はもてぎの開幕戦、優先順位は鈴鹿のテストにある。まあ、時間が合わせられる時に参加してみようと思う。
先日友人の吉澤が会社発足20周年記念のパーティーを開催した。吉澤は知る人ぞ知る、モトショップ五郎の代表で、業界のアイデアマンだ。彼曰く、「お店の運営単体で考えたら完全に赤字ですね、自分自身は今後新しいトライのしかたで業界に残って行くつもりですよ」重い言葉だったな。本人はいたって真面目な顔してたけど面白いのは、そんな彼が選んだパーティー会場は、銀座ケントス。賑やかなライブハウスなんだ。ヤッパリアイデアマンは違う!俺みたいにワンパターンでPPパブに通ってる人間には及びも付かないよ。(苦笑)