Vol.66  全日本R5・菅生

夏休み明けの全日本・菅生に行ってきた。
東京に比べると日差しは強く暑いが日陰は東北だけあって涼しく感じた。
前週のテストではかなり暑く厳しいコンディションだったので、それなりの覚悟して菅生入りしたけど、すっかり肩透かしを喰わされた。夜なんかエアコンつけて寝た奴はみんな風邪ひいてしまった(俺もその一人だけど)。

サーキットのコンディションは最高だった。
空気は乾いているし気温もそんなに高くならなかったのでレコードラッシュの予感があったが、実際はそれほどタイムは上がらなかった。以前、菅生の全日本は秋口に行われていたのでオートバイは良く走ったが、近年菅生のレースはこの時期に行われるのでどうしてもマシンは走らない。
どうして暑いとマシンが走らないか? 空気の密度は、温度上昇と共に薄くなる。それに湿度が高いと同じ空気の量なら酸素の絶対量が少なくなるので、エンジンに送り込まれるガソリンを含んだ混合気の総量は少なくなるんだ。
当然、パワーは出ない。
だからマシンが走らなくなるんだ。

そこでST600レース。
600は昨年大作が出したタイムがレコードになっている。
しかしこのレコードは同じような時期だったので前述の言い訳は当てはまらない。
実に1秒以上遅いんだ。
問題だよな。
なんでタイムが遅いのか良く分らないけど、実際遅いんだからしょうがない。そんな中で小西がレースを見事にコントロールして優勝した。
本人は「コントロールなんてとんでもない、必死でした」とレースを振り返った。
余裕があった訳じゃないようだが、見ていて久し振りに小西らしい貫禄のある走りだった。
CBR600RR今季初優勝。
ただ、このレース中に6台程の多重クラッシュがあり、森も巻き込まれて病院に直行。
ヤマハの奥野君の容態が悪いようで心配だ。
一日も早い回復を祈るばかりです。

600のクラッシュの影響でJSBのスタートが大幅に遅れた。
通常タイムより1時間半遅れ位でスタートしたが、またしても後方で多重クラッシュがあり赤旗中断。
再スタートでヤスは温度レンジがずれてしまったタイヤと格闘しながらも5位を死守していたが、ここでまた赤旗中断。
本当に続く時はこんなもんだ。
残り10周で再レースが行われるころにはあたりが暗くなり始めていた。
ヤスには「ここで大事なのは集中力だよ」気を付けてなと言い聞かせておいた。ヤスは案外落ち着いて走り、順位をひとつ上げてのゴールとなった。

今回のレースは、600の優勝もあって嬉しい反面、大きな事故によるライダーの怪我が気掛かりで、手放しでは喜べない複雑な気持ちで深夜の東北道を帰途についた。