Vol.65  2007年鈴鹿8耐

今年の8耐が終わった。
惨敗だった。
我々の活動に応援頂いた急募.comの?アックスさん始め、本田技研、HRC、ブリヂストン各社、そして多くの協賛メーカーさんに御礼を申し上げます。ありがとうございました。
レースは何が起こるか分らない。しかし自分達の仕事はキッチリこなしておかないと悔いが残るので全員頑張った。
それは見事な頑張りだった。
6月の後半から一気に耐久モードに入ったハルクは、連日連夜マシン整備、テストの合間に本番車の組み上げに没頭していた。万全を期して鈴鹿入りしたハルクチームは順調にレースウイークを過ごした。しかしこの順調に進んだウイークに、魔物が潜んでいたんだ。決して気を抜いた訳じゃなく一生懸命やっていたんだけど、何となく空気が悪いのは感じていた。それが慢心なのか、たかが2・3年の耐久経験でうまく行った事を自分達の実力と勘違いしたのか、とにかく順調に進んではいたけど納得した感じじゃなかったのは事実だった。俺はこのチームがうまく仕事を出来るためには、どんな小さな事も見逃してはいけない役割なんだけど、俺自身が慢心してたのかもしれない。
レースがうまく行く時は、仕事がいい雰囲気で流れて行くものなんだ。
俺はこの雰囲気をすごく大事にしている。
一度流れが悪い方に向かうとなかなか修正出来るものではない。だからウイーク中も全体の雰囲気が悪い方向に向かわないように、常に修正していかなければならないと常に思って仕事している。

そうしてレースはスタートした。
近年の8耐はスタートから10周がひとつのポイントになっている。ここで出遅れると周回遅れが出始めた時にペースが落ちるので、二度と追いつかなくなるのだ。スタートライダーの安田は頑張って3位をキープし、前に離されないようにペースを落とさずに走っていた。
想定通り、周回遅れが出始めた。スプリントレースでも同じだが、前を行くライダーは自分のペースでバックマーカーを交わして行く。後ろのライダーは離されまいと無理を強いられる。安田がどんな状況で転倒したか分らないが、いちばん気を付けなければならない事をやってしまった。自分達は速い、前へ出られて当たり前、冷静な判断の欠如がアクシデントを招いたのだろう。

ボロボロになったマシンがピットへ帰って来た。俺たちは最善を尽くして修復したマシンをコース戻したが、13LAPのロスだった。最下位近くからゴールの時点で23位まで順位を回復。202LAP回る事が出来たので、ロス分を入れれば215LAP、俺達の想定した周回数だ。優勝したヨシムラチームは216LAP回ったので勝てる事にはならなかったが、それは実力の差だ。
完璧な勝ち方をしたヨシムラチームの底力を見せ付けられた。
長年やっているチームの強さを痛感した。
レース後、ヨシムラチームのパーティーに行って「おめでとうございます」と心から言えた。
毎年8耐の後はうまいビールが飲めるものだと思っていたけど、今年は全然。まったく飲めなかった初めての経験だ。
そして今日から来年のための準備が始る、うまいビールを飲むために。

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