Vol.41 夏休みに思った事。
夏休みしてきた。
世間一般からするとハルク・プロは夏休みが早い、それは俺達のやってるレースのスケジュールからくるもので、別にへそが曲がってるわけじゃないんだ。その夏休み中にとうとうホンダのF1が優勝した。俺達もレースをやっているからレースに勝つ事の意味は凄く分かっているつもりだ。特にF1程のレースになれば俺達の想像をはるかに超えたものがあると思う。
今のホンダF1チームの親分、中本氏は2輪の分野で活躍した人で、HRC時代はよく現場で話をした。もっとも彼はもっと昔からの友人で、大学時代にバイク好きが集まるスナックで出会った頃にさかのぼるが。そんな中本氏と今年のホンダキックオフパーティーで話をした時、あのニコニコした顔で今年の展望を語ってくれた。実際は厳しい裏事情があるのは誰でも分かっている訳で、それを超えてニコニコ顔で話をされると芯の強さをを感じた。もちろんチームは彼が前面に出てるだけで、彼の後ろでは物凄い数の人たちが携わっている訳だ。HRD和田社長もそうだ。彼も昔からバイク好きで、よく奥さんと二人乗りでツーリングしてた。和田さんもいつもニコニコしてるな。
レースをやってて勝てない時、それも個人でやるレースでなく仕事で、多くの人達を巻き込んでのレースでは大きなプレッシャーを伴なう。とてもじゃないが人前でニコニコする余裕なんてないのが普通なんだ。中本氏も和田さんも今回は心の底からニコニコ出来たんじゃないかな、おめでとうございます。
ニコニコと言えば藤井正和だろう。彼も本当に嬉しそうだったな、協力してくれてる企業に対しても、応援してくれてる人達に対しても、これでやっと夢が実現出来た喜びを全面に出してたな、俺も個人的にはいつも応援してたんだけどアイツは分かってたのかな?まあいいか、そのうち藤井にはお返しして貰う。
今年は長いこと頑張ってたチームや企業が報われるシーズンだなと思う。先述のホンダF1チーム、TSRチームも念願だった8耐で勝ったし俺個人的にはみんな嬉しい勝利なんだけど、もっとも嬉しかったのはブリヂストンタイヤが8耐を制した事なんだ。ホントは俺達の手で初勝利を飾りたかったというのが本音だけどそんな事はどうでもいい、この20数年でBSのMCタイヤが8耐で優勝するまで進化してきた事が嬉しいんだ。
俺たちは昔からBSタイヤのユーザーで、極論BSしか知らない珍しいチームなんだ。BSのMCタイヤを作るにあたって昔から開発を共にしてきた自負があるからね。
そのブリヂストンMCタイヤが8耐で優勝それも表彰台独占だ。
ヤッパリ継続は力だな、やり続けないと結果は出ないし、やり続けたからこそ結果を出せるものに成長出来たんだろうな。
F1やブリヂストン、TSRとなんか待ち焦がれた勝利が一度にやって来た、そんな気がする夏休みだった。