Vol.35  suzuka300Km

鈴鹿300Km
いやー、惜しかった!
8耐前哨戦である300Kmは本番の8耐の約4分の1、52周を走る。ライダーは一人でも二人でもOKだが、燃料給油が必要になる、この際にタイヤ交換とライダー交代を行うミニ耐久だ。
俺達は土曜日の予選から滅茶苦茶に盛り上がっていたよ、なんたって、小西がポールタイム!これは本当に嬉しかった。
レース、それもオートバイのレース、まして耐久なら尚更のことスタートポジションはそれ程影響無い、まあ10位以内に入ればOKなんだ。俺は昔からスタートポジションにはこだわりがある。レースはライダーが知力・技術・体力+マシンを総動員して戦うから、ひとたびコースにマシンを送り出したらライダーまかせ。予選はもちろんライダーが居なかったら話にならないが、レースとは違う意味合いを持つ。それはマシンのスピードや仕上がりの具合、そこに至るチーム力。要はチームの総合力なんだ。
だから俺は予選の結果を大事にしている。
第一恰好いい。
このところ不調だった小西が、みんなにアピール出来るところまで復調してきた事も嬉しい理由だし、鈴鹿の耐久には人一倍思い入れがある小西が昨年は走れなかった。その悔しい思いをいっきに晴らすことが出来たと思う。
ゼッケン101 TOY STORY RT RUN’A & HARC-PRO.が今年のチームだけど、これがまた何ともメルヘンチックなんだ。
俺は常々考えていることがある。それは俺達の仕事のフィールドであるレースが広範囲に受け入れて貰える為の環境の整備なんだ。
俺達のチームは、どちらかと言えば硬派だから(疑問を持つ方もいるかもしれないが(笑))イメージがメルヘンチックとはかけ離れているよな。でも俺達がこういった活動をする事によって少しでも業界の発展につながればと思っている。
その101番がポールから飛び出した俺がスタート前に小西と話した事は、「大事なのはスタート後の5周と、ピットイン前の5周だ」というものだ。朝から降った雨がコースを濡らしたが、どうみても乾く方向で、要はライダーの技量とチームの作戦が重要な鍵になるであろう事が予想出来た。
果たして、小西は飛び出した、いっきにペースを上げた。
序盤こそ尚護が付いて来たが恐らくソフトタイヤだったのだろう。そのうち下がりタイヤ交換の為ピットインしてた。
俺達の作戦は、(とにかく走り切る)だった。ガソリンタンクの容量と燃費によって、最大周回数は決まってしまう。CBRの場合は鈴鹿28周がリミットだ。そんな事言ったってレインタイヤである、路面はみるみる乾き、擦り減ったタイヤは悲鳴を上げタイムは落ちる一方なのだ。・・・・・・・つづく。