Vol.26  今年のチームハルク・プロ

2月に入った。いよいよ今年の戦いが目の前に迫ってきた。もちろんレースの開幕は4月だが、最終準備の段階に差し掛かったという事である。
今年のチーム ハルク・プロは、少し変則的な参戦体制をとっている。
125に中上貴晶、言わずと知れた天才少年である。貴晶は今年全日本選手権にフル参戦しながらスペイン選手権にもフル参戦する予定だ。スペインへはMOTO-GPアカデミーに入校した為に、年間7回程スクーリングを受けに行く、その際にスペイン選手権に参加してくるのだ。
俺達は今年、貴晶を全日本のチャンピオンにするべく全力でサポートする。
スペインで戦うマシンはアカデミーのSTDのRS125なので、戦闘力に関しては心もとないが、昨年全日本で戦っていたマシンも完全STDだったし、メンテナンスはヒロや周平が世話になっているアルベルト・プーチのガレージで行うので大丈夫だろう。
過去に例の無いアプローチの仕方で世界の扉を開こうとする俺達の挑戦が成功すれば、後に続く若いライダーに勇気と希望を与えられると思っている。
日本とスペインでのWチャンピオンを目指すので是非応援して欲しい。

600には森新(もりあらた)が新規参入する。森は昨年までハルクのクラブチームで125に参戦していたが、今年は心機一転600に挑戦するのだ。
ウチには600のチャンピオンが横にいる訳だから見本にして努力すれば必ず結果が残ると思っている。
日本で600のレースが行われるようになってから数多くのライダーが参戦しているが、125出身のライダーで成功している奴は少ない。同じ125出身でトップに上り詰めた安田というライダーをいい目標にしてスキルアップして欲しいもんだ。
その目標にされる安田も、昨年チャンピオンになって引き続き今年もおなじクラスに参戦する。昨年は残念ながら優勝は出来なかった、なぜ出来なかったかは本人も考えていると思うし、俺達も足りない部分を補って今年は文句無しのチャンピオン獲得を目指す。
それが達成出来た時の安田はすべての要素が備わったライダーになるだろう。

昨年はスタートダッシュに失敗して完全に失速してしまったJSBの小西は今年は燃えている。小西は年齢36歳だが、奴の肉体年齢は20代と言っても過言で無いくらいなのだ、レースに対する情熱もいささかも衰えていないので今年は頑張るだろう、いや頑張って欲しい。俺達も小西に全力でサポートして結果を残したいと思っている。
大が付くくらいの酒好きな小西が今年は禁酒こそしないがほとんど飲まない。
ライダーもアスリート、好きなだけ飲み、好きなだけ喰って、やりたい事をやりたい放題じゃあギリギリの時の踏ん張りが違う。それに気が付いて身体も気持ちも絞り込んだ小西に期待する。