Vol.16  鈴鹿8耐の巻

やったねー!
今年の8耐は大成功でした。
事前のテストは、先行するマシンの多さに少し危機感を感じてたけど、ウイークに入ってからは開き直って作業に励んだ。今年はサーキット入りする前作業もハードな状況だったし、サーキット入りしてからも連日確認作業と調整に終始して、気が付くと12時を回る毎日だった(汗)。
常々、TSR藤井が「ハルクは8耐参戦においてはビギナーなんだから、分らない事は俺に聞いて」これは彼の口癖で、その藤井が「8耐のサインボードは最近電飾なんだ、恰好悪いからライトで照らしたりしないで」とかって簡単に言う訳。でも俺は素直だから「ハイ!わかりました」言った限りはやらなければならないのが我々の世界の掟で、電飾サインボードの製作に掛かる。マシン製作だけですら大変なのに、ピット治具まで作るからそりゃ間に合わせるのに時間が掛かるのはあたり前で、いきおい毎晩余裕の午前様になってた。
しかし所詮にわか作りの物は必ず問題が起きる。
鈴鹿に入ってから改修作業に取り組まなければならなかった。ただ、鈴鹿近隣は工場の友達が多いのでとても助かった、伊賀上野の山本Eng.御大なんか「ええは、ワシが帰ってから直して明日持って来る」
持つべきものは友達だなー、山本さんありがとう。

めでたく一流チーム並に電飾サインボードを装着できた。レース序盤は、予想通りのポジションで推移したが中盤の前に俺達にとってチャンスが訪れた、今回はある程度雨は予想していたが思った通りの雨だった。
雨が降ってくる時間は大体予想出来た。それは周平の情報によるものだったが、これが見事に当たる。そして降り始めたばかりなのに今度は止む時間の予想、これも見事にビンゴ! 周平がなぜそんな能力を持っているのか?それはヒ・ミ・ツ(笑)。
とにかく俺達は完璧にタイヤと時間を使い最小のピットワークで上位に上がったのだ、恐らく全ライダーの中で最大周回数を回ったヤスは、かなりヘバッテたけど最後は元気に復活してたので良かった。
レースが終われば大事なのは打ち上げだ。
成績が良かったので打ち上げは当然盛り上がる・・・筈だった。
恒例のホンダのパーティーが終わり、チームの打ち上げ会場に着いた時にはスタッフ全員結構出来上がっていた。
それはそうだよな、レース一ヶ月前はほとんど午前様で働き、鈴鹿入りしてからも更に寝ていない訳で、レースが終わりホッとしたのだろう、皆飲んでるのか寝てるのか分らない状態だった。
オレ?
もちろん頑張ったよ。でも限界はかなり早く来てしまった。
久し振りに甘い酒だった。

鈴鹿から帰って翌日に相模湖に行った、記録的な暑さの中、ゴルフをやりに。業界仲間の渋谷栄重氏のお別れコンペに、渋谷氏は知る人ぞ知る世田谷のエイジュ―プロ代表だが、実は業界の人間をゴルフ漬けにするエイリアンだ。(笑)
世田谷から実家のある山形に帰るので、昼間大好きなゴルフをやって夜は飲み会という趣向だ。
オレは一応見栄を張って参加したものの、昼のゴルフは×。夜の飲み会も×。使い物にならない、鈴鹿ボケしたただのオヤジ状態に陥ってしまった。
でも業界の仲間が、メーカーとか年代とか関係無く集まり、あらためてエイジュ―の人柄の良さを感じた一日だった。

夏休みをはさんでいよいよ全日本の後半戦だ。
周平と安田のチャンピオン獲得に向けてきっちりテストをこなし、悔いの無いシーズンにしなくちゃ。池さんや忠さん達と南の島にも行かなけりゃならないし、忙しいぞ。