Vol.13  全日本第3戦筑波

毎年筑波のレースは大変なんだ。ピットが無いからガレージから走行機材を毎回運ばなければならない。
ウチは全クラスにエントリーしているので更に大変で、頻繁にピットとガレージを行き来する。でも今年は雨が大して降らなかったので、まだいい方だったな。
レースをやろうとする時には少しでも楽な方法を選びたいしまた、そうする事が結果につながるのは事実なんだ。筑波サーキットの施設で全日本をやろうとした時には色々な問題があるけど、俺は個人的に筑波のレースはずーっと続けて欲しいと思う。

確かにあのキャパシティーでは厳しい部分が多々あるのは事実だけど、前述したように少しでも楽なやり方を模索する事によって、それに対応出来ると考えている。
俺達が知恵を絞っている訳だから、サーキット側も最低限の工夫が欲しいな。何もお金を掛けることだけじゃなく、キャパシティーに応じた台数制限をするとか、開催クラスを限定するとかして継続して欲しいもんだな。
まぁそんな事はさておいて、レースは125から始まった。今回が全日本デビューとなる中上貴晶は、自己ベストに遠く及ばないので元気がなかったが、さすがに天才少年、予選では11Kg(!)のウエイトを積みながらも0秒6までタイムを詰めてきた。先輩の森も自己ベストで貴晶を上回る。貴晶は技術向上のために、まったくのSTDマシンで参戦させている。非力なエンジンとSTDの足回りで「筑波を60秒0で回らないと坂田には勝てないよ」と以前から貴晶には教えているから、もう少しだな。クラブの先輩・森も、そんな貴晶に負けじと頑張るからチームとしての士気も上がるね。
他のクラブ員も頑張って欲しいもんだ。

600の安田は地元の意識が強く、負けられない気持ちが強すぎたみたいで、力が入り過ぎてスベッタようで、結果は芳しくなかったけど、逆に言えば不調な時でもそれなりに走れる自信は付いたと思う。レースに自信は必要だからな。シーズン、まだまだ先は長い!
問題はコニ―だ。今年の年頭から転倒が続き、自信を失いかけてるんだ。と言うより、マシンに対して体を預けられない気持ちになってる。これはレーシングライダーとしては大問題で、色々な方法でトライしてきたが簡単には克服出来ないんだ。レースはコニ―としては不本意なポジションで争っていたけど、終盤には吹っ切れたような走りをしていたので次回に期待。
周平は毎回厳しいレースが続く。周平の目標はあくまで世界GPなので、先輩の残した記録を超えるのがマストになっている。言い換えれば、現行のレースでもたもたしているようでは論外なのだ。これはとても厳しい状況で、レースというものは競い合いなのだから相手がいてこそレースな訳で、周平のように目の前の相手より、見えない相手を目標にレースをする事がどれ程厳しいものかは本人のみぞ知る。でも、自ら望んでいる訳だから頑張るしかないんだよな。俺達も一切手は抜かずにやるしかない。それにしても、予選でも決勝でもどんな時でも手を抜けない、ってのは傍からみたら奇異に写るだろうな。筑波でも10秒もブッちぎってるのに俺達はPITから行け―っ!行け―っ! 最後までだよ。その甲斐あってか、レースタイムは過去最高だった。
取り敢えず諸先輩は超えたから良かったな周平。

いつもなら夜の部もあるんだけど、とにかく筑波は疲れるので今回は大人しかった。TSRの藤井とワールド筑波の橋本親父と少しだけ飲んだくらい。
親父さんの行き付けの子洒落た店で軽―くね。橋本の親父さんは最近、自分でも丸くなったと言ってたけど、ホンとにそう思う。
優しいもの。
数多くのライダーを筑波から輩出した実績の裏側には、当時は見せなかったが、優しさがバックボーンとしてあったんだろうなと思う。
まだまだ頑張ってよ、親父さん!

Comments are closed.