Vol.12  上海GP

HRCが全日本の卒業生を応援するメッセージをファンの皆さんから受け取り、グランプリを走るヒロとユウキに渡して激励する。そんな企画があり、俺は暴動でみんなが尻込みする上海へ向かった。

上海はびっくりするほど近くて、なんだか国内のサーキットに移動してる感じだった。ところが違うのは、そのスケールの大きさ。上海地方、それもサーキットの周辺は真っ平らで山がないので、遥か彼方から上海サーキットが見えるんだ。
さすがに世界一のサーキットと言われるだけの事はあって、コース事務所(9階建の総ガラス張り)にあるエレベーターは片側4基!両方で8基、ちゃんとエレベーターガール(美人!)が常駐しているんだ。
俺は目を疑ったね。
上海GPツアーを予定しててキャンセルになった忠さんが来てたらさぞかし喜んだろうに、忠さん!残念だったね。(笑)

美人のエレベーターガールばっかり見てた訳じゃないんだよ、俺も。
一応行けるところは一通り回ってきたよ。コースは、フラットだけど意図的に盛り土してアップダウンは作ってあった。
昨年F1のレースを開催した後は、ほとんど使用してないようで舗装面は非常にきれいに見えた(実はこれが後からとんでもない見かけだけの物だとは、知る由もなかったが)。ドライの時でも、それほどグリップは良くないようだったが、雨が降ったら更に滑りやすい路面だったな。直線でタイヤが空転してる音が良く聞こえたほど。どう言うことかと言うと、路面はきれいだけど水掃けが良くないというか、染込まないみたいだな。だから雨が降ると路面は、鏡みたいにきれいに光ってるんだ。

まあ、世界中のサーキットを走っているGPライダー達は、そんなことはお構いなしにタイムを刻んで行くから大したもんだ。
我らのヒロはさすがに2年目の貫禄で、順調にタイムを上げて行く。ユーキも頑張ってるから決勝が楽しみだったね。

雨は降ってたけど、250クラスはフルウエットでの走行が無かったので、決勝がウエットレースになったのは明暗を分けたみたいだった。やはりレースは組み立てが大事。
チームもライダーも経験が物を言う世界だもんな。
ヒロも又ひとつ経験を積んだし、ユーキだって同じ。皆んなそうやって強くなって行ったんだ。
俺はレース後ビクトリーサークルで待って、帰って来たヒロとハイタッチした。何だかすごく嬉しかったよ。

レースが終わると休む間もなく、GPチームは帰ってしまうので、ヒロとはゆっくり話する間もなかった。

いつもだとここからは夜の話になるんだけど、今回は場所が場所なので、あまり羽目を外さずに大人しくしました(苦笑)。
帰りに上海市内に行き、そこからSMTに乗って空港まで行った。
まあ、SMTって言ったって分らない人の為に説明してあげると、リニアモーターカーの事。最高速度430Km!上海市内と空港を7分で結ぶ高速移動手段なんだ。一度乗って見たかったから、感激したね。
上海に行った際にはぜひ乗って下さい。50元、約600円で体験出来る、F1やRC211Vよりも速い乗り物だよ。