Vol.2 A.R.T.(Association of Road racing Teams)
日本のレース界におけるA.R.T.は、これまで存在しなかった組織です。レースへの参加者の集まりであり、参加者の声を施設やMFJに届けるための団体です。今まで日本のレースというのは長く、主催者やMFJによる決めごとですべてをコントロールされてきました。
ですがそれが必ずしも良い決まり事であるとは限りませんし、参加側から見て、より良い環境になるように様々な提案をしていき、検討してもらえるというのは、レース界にとってもとても前向きなことだと思います。
全日本に参戦しているチームというのは、ショップ系チームだったり、個人で参加しているレーシングチームであっても、地元に戻ればその地域ではオピニオンリーダー的存在であると思います。ですから、そうした人たちに対してもA.R.T.が情報を流すことで、裾野を広げることができるのではないかと考えています。そうした裾野からあがってきたような話もA.R.T.でまとめ、参加者の声としてまとめ、主催者やMFJに参加側の声として出していくことができれば、日本のレース界におけるA.R.T.の役割がさらに一歩、前進するのではないでしょうか。そうした様々な立場の人たちの意見を聞き、主催者やMFJがそれを受けて検討すれば、一番良いと思われる形になるのではないかと思うのです。
そうした役割をA.R.T.ができれば、日本のロードレース界にとって重要な役割を担うことができるようになるのではないかと考えています。
それと今までのA.R.T.の活動は、全日本に参戦しているすべてのチームに対して公平にと考えてきました。ピットの割り当てやパスの発行などに関して、すべて公平にしてきたわけですが結局、全員に公平というのはあり得なく、全員が不公平感を覚えることになってしまうのです。ですから来年に向けてA.R.T.としては、興行型チームと参加型チームを明確に分ける方向で考えています。
興行型を目指すチームは、メリットがありますがそれと同時に義務も生じます。全日本ロードレース選手権を見に来るお客さんが増えるための努力を、積極的にしていってほしいと思います。
参加型チームに関しては、今まで以上に全日本を楽しんでほしいと思います。全日本ロードレース選手権に参戦することが楽しく、そしてやりがいのあるレースになるよう、参加者全員で盛り上げていってほしいと思います。
やっとスタート地点に立てた。試行錯誤を重ねてきたA.R.T.ですが、やっと進むべき道が見え、本格的に始動できそう、そんな感じがしています。