【COLUMN】2022全日本ロードSUGO
6月に入り梅雨もそろそろ始まるタイミングでの菅生開催。金曜日は絶好のコンディションでスタート「頼むからこのまま天気良くウイークを終わらせてくれ」したが、菅生はそんなに甘くない。夕方に向かい徐々に暗雲が、最後のST1000の時には菅生名物?の霧が立ちこめ、コントロールタワー下から1コーナーが見えないくらいの霧に包まれてしまい、数少ない走行チャンスがキャンセルになってしまった。金曜の夜降った雨は土曜日こそ上がったものの、路面は微妙なウエットパッチが広がる。徐々に路面は乾き予選は順調におこなわれたが、前日走行中止になったST1000クラスはいきなりの予選。俺は以前から「予選の朝に少しでもいいので走行機会を設けて欲しい」訴えているのはこういった場面でのためで、マシンのセットアップとライダーの安全を確保する目的からなんだ。
一日のタイムスケジュールを見る限り、朝に各クラス15分くらいの走行機会を設けるのは難しいとは思えないけどね。(ヤル気が無いから提案しても「時間的に無理です」やったことも無いのに言うんだね)これは菅生に限った事では無いけど。
後付けみたいで嫌だが、走行機会が減った事でマシンセッティングも甘くなり、終には決勝中に起こった事故みたいなものに繋がってしまう。決して無関係では無いんだ。
それでも今回の運営団は柔軟に対応してくれたね。ST1000のレースで事故がありタイムスケジュールに支障が出るため取り敢えず一番最後にレースを行うと案内したので、俺は「ST1000はパワーもあるしスリックタイヤだから時間が遅くなると路面温度も下がりタイヤに熱が入りにくい、パワーも1000に比べ少ないしタイヤも溝付きなのでリスクが少ない600の方が安全なのでは」提案したよ。果たして、運営団は即座に最終レースを600に変えた(結果的に大正解だったね、オイル漏れが発生して時間が押してしまいレーススタート決定が17時30分、1000だったらレースキャンセルだった)
それとは別問題で、この600が何故そんな事態になったのか、今後のために少しだけ説明しておく。スタート後まだマシンがバラける前に接触があり、一人のライダーがコース外へ、転倒しながらコースへ戻ってきたマシンに後続のマシンが衝突。(ここでは誰がとかは伏せておく)衝突したライダーにしてみれば、気の毒なもらい事故。問題はそのライダーのマシンに衝突のダメージがあり、オイルが漏れだしていた。ライダーにしてみれば早くピットへ戻らないと赤旗後のレースに復帰出来ないので、オフィシャルの手を借りてマシンをコースに戻してしまった。故にピットまで延々とオイルがコース上に。
マシンの損傷状況を確認せずにコースに復帰したライダーが悪いのか?コースオフィシャルとしてマシンの状況を確認せずに手を貸してコースに押し出したのが悪いのか?犯人捜しをするつもりは無い。何故、それほど急いでコース上に戻ったのか?そこには赤旗時の規則に(5分以内に自ピットに戻れない場合失格となる)ある。
自分のせいでは無くもらい事故。それでピットに戻れず失格となれば、泣いても泣き切れない、誰がそのライダーを責められよう。かくして延々とこぼれたオイル処理に時間を要してしまった訳だ。
その間に運営団はライダーやチーム関係者に対して現状説明を行い、最終的に17時30分を目安にする事とした。この際にセフティーオフィサーの亀谷が「私の経験から、コースはレースを行える状態にあると判断したらスタートするので信じて準備して欲しい」参加者に伝えた。俺は、随分思い切った発言をするものだと感心したよ。約束通り17時30分にレース開始が発表され、短縮はあったが何とか終了にこぎ着けた。
レース運営団の柔軟な対応があれば、最終的にこのような結果にまでこぎ着けることが出来るものなんだと感心した大会だった。