【COLUMN】Vol.281 コロナウイルスの影響
2020年4月20日更新 本田重樹コラム
新型コロナウイルスによる影響が各方面に出ている。
TVやネットであらゆる方面での影響を目にしつつ(俺達のレースはどうなっていくのだろう。今後の方向性はどうなるのか?)気になるところなんだ。
スポーツビジネスは世の中の異変に敏感だ。平常時であることが大事な条件になる。
人を集めるという意味では我々だけでなく、イベント関係の仕事はすべて影響を受けているのが昨今のコロナ禍。とにかく人と人が密接にならないようにする事が最善の策と言われるウイルス感染、人を集めるイベントと相反する。
先般相当気を使って開催したK–1イベント。開催した事自体が“悪”みたいな感じになっているが対して、無観客で15日間をこなした大相撲。開幕から10試合前後が“中止”になっている女子プロゴルフの大会。イベントを開催するためにはそれ相応の経費が掛かる。その経費を捻出する原資は観客からの入場料に頼る。サッカー、野球、ラグビー全部同じ。イベントにはスポンサーが付いたりTVの放映には放映料という名目の収入を得たりもするが、観客収入は外せない。TV番組なんかも、新規のロケとかが出来ないせいか、やたらと再放送が多い。TVもスポンサー収入に頼るから、いつまでも再放送でお茶を濁すわけにもいかないと思うけどね。イベントにもスポンサーが付いているものと、そうでないものがある。
我々のレースにはスポンサーが無い。参加者のエントリー代と観客収入が頼り。全日本選手権の安全を担保するために、オフィシャルの数は述べ300人位(コースによって差はあるが)要する。日当・交通費・食事代、コース整備、電気代他、掛る経費は気が遠くなる。
全日本選手権はサーキットが主催者。サーキットは企業なので営利団体。したがって、無観客での開催には消極的になるのは当たり前。参加側もいわゆる3蜜なるものを外しては考えられない。考えれば考えるほど難しい。
レースに参加する人達はそれぞれ目的が違っているので一律には考えられないところが難しい。メーカーのワークスチームとプライベーターでは参戦目的も、懸けるお金も違う。当然、携わるスタッフの数だって比較にならない。俺達は仕事でレースに参加しているので“現場”が無いと仕事にならない。今般のウイルス禍で延期が続いたレースも、開幕戦鈴鹿2&4のエントリー代金が返却された。これは取り敢えず中止を意味することなのか?情報が無い(ARTでも年間エントリーのチームに返金した)。
開幕戦に続き、もてぎも延期。その後の菅生、筑波は?延期にしても良いが、日本では気候的な問題で寒い季節にレースは厳しい。スリックタイヤの温度レンジがカバー出来る範囲は限界があるから。そうなると先送りするにも限界があり、4月から10月で日曜日の数は30前後。2輪4輪その他のイベントで、限られた日曜日の取り合いになる。
仮に何とか秋口にレースが出来るようになり、サーキットも確保出来たとして、仕事でレースをやっていない参加型のチーム・ライダーは普段の仕事・会社と折り合いがつくのか心配になる。
今、世の中はコロナウイルスでとんでもないダメージを受けている。企業だって生残りに大変だと思う。そんな折に「スミマセン休みます」は、中々言い出しにくいよね。
先の事は分からないが、一日も早くこの新型コロナウイルスが終息し正常な世の中に戻る事を願うばかりだ。