2019年全日本ロードレース選手権第7戦オートポリス
水野 涼
「レース1、レース2ともに少しトラブルが出てしまい、思うようなレースができませんでした。トップグループのペース的には問題なかったのですが、苦しい展開になってしまいました。レース2では自分のイメージ通り、スタートで前に出てレースを引っ張る展開に持ち込めたのですが、中盤、終盤と苦しい状況になってしまいました。自分の調子自体は良いので、チームとしっかりとマシンを作り込み、最終戦はぜひ優勝したいと思います。
名越哲平
「事前テストからレースウイークに入っても流れが良く、セッティングも詰められてきていたの良いレースとなりました。予選はポールも取れましたし、自分のセクターベストを足していくと、51秒5まではいってたみたいで、コースレコードまであと一歩でした。ヒート1に関しては、トップ2台で離すこともできていたし、レース2に関してはフィーリングが少し変わってしまい、ペースを上げられなかったのですが、トップグループの中ではいちばん冷静に走れていたんじゃないかな、っていうくらいの走りができていました。周りから見てると棚ぼた優勝、って思うかもしれないけど、冷静に走れていたし、それが最後のああいう展開に繋がったと思いますミスなくクリーンに最後まで走り切れたし、フィーリングが変わったことへもすぐアジャストできたし、ペースも戻せたし、良かったです。最終戦もチャンピオンより勝ちをねらって攻めたいと思います。」
榎戸育寛
「事前テストはレースウイークを考え、きっちりと詰めていってトップタイムも出せました。レースウイークは多少トラブルとかあったのですが、FP2でロングランもできました。それができたおかげで、自分のライディングと、マシンとそれぞれアジャストする必要があることが確認でき、そこへの対応も進めました。決勝はスタートでミスしたけどうまく1コーナーまでに挽回でき、トップに付いていけました。哲平くんが逃げるのは分かっていたのでついていくようにして、それぞれ速いところと遅いところはあり、それに対して自分のライディングをアジャストしたら、31秒台に入れることができました。以前のタイムを現状のパッケージで超えられないのが自分としては悔しくて、岡山ではクリアできたのですが、オートポリスではそれができずにいたのが、レース1の途中で出すことができました。良いリズムのところで赤旗中断となり、仕切り直しで今度はスタートをうまく決められたのですが、1周目にアグレッシブな抜かれかたして3番手となったのですが、うしろで冷静に前の雰囲気を見ていました。最終ラップに動くことは分かったので、そこでスリップ使って1コーナーで前に出て、そこまでは良かったですね。セクタータイムも上げられたのですが、第2ヘアピンで無理矢理インにねじ込んできて、接触寸前になって少しいオーバーランしてしまい、それでもプッシュしたけど少し差が開いてたので、悔しいけど、2位となりました。」
上原大輝
「予選、決勝と同じ14位のままで終わったのは非常に残念です。その理由としては1周、スタートは良かったけど、団子の中に入ってしまい、そこで前車をパスするのに時間がかかり、前と離れてしまいました。そこがとても残念です。アベレージ的には9番手、10番手くらいには確実には入れたはずなので、そこは反省します。ただ、あの団子の中で転ばなかったのは良かったと思います。転倒車が前に出て、自分も巻き込まれそうになりましたので。テストからの流れが結構良くて、タイムを出す自信もあったし、もっと上げられるという自信があったので、もう少し行きたかったですね。でも今までよりは自信を持ってウイークを進めました。このままの流れで最終戦、走って行きたいです。」
本田重樹監督
「JSB1000クラスの水野は、事前テストからヤマハの2台とは少し差があるな、というのは感じていていました。チームとしてもその差をなんとか縮めようとトライして、タイヤのマネージメントの部分などいろいろアプローチしましたが、結果的にはその差を埋めることができませんでした。我々としてはスタートで前に出てレースをコントロールし、自分たちでペースを作る展開に持ち込みたいと考えていてそれがレース2ではできたのですが中盤、終盤とレースが進むにつれて足りない部分が出てきて、結果的には4位というリザルトになりました。精一杯戦い、その中で課題も明確になったので、そういう意味でも今後に繋がるレースになったと思います。次回、また頑張ります。J-GP2の名越と榎戸は、途中で赤旗が出で少し状況が変わったりしたのですが、2人とも頑張り、最終的にチームで1−2フィニッシュとなりました。これは2人の成長の証だし、チームとしても望んでいたものになり、すごく嬉しかったです。でも正直言うと我々はピットでドキドキでした。最終戦はチャンピオンのかかったレースになりますが、2人とも正々堂々と勝負してほしいと思います。我々もそれぞれのライダーを全力でバックアップします。ST600の上原はこのところ迷いが生じ、本来彼自身が持っている走りができずにいます。でも今回は、タイム的に見れば少し足りないけど、精一杯やったと思うし、14位は今季ベストリザルト。来年の方向性はまだ決まってないけど、彼には頑張ってほしいと思います。応援、ありがとうございました。」
堀尾勇治チーフメカニック
「JSBの水野はテストの時にトップタイムを出したりして、常に3番以内にいる状態にいました。8耐以降、常に表彰台圏内で、ヤマハの2台に高橋 巧を含めた4台の争いで、今回も同じ状況となりました。でも、あれだけのハイパワーで重いマシンになると、すべてがうまく噛み合わないと水野の若さだったり伸び代があったとしても、なかなかみんなが望んでいる優勝の二文字には届きません。今回も詰め切れないところもあり、もう一歩なんですが、その一歩が簡単なものではない。今、やっぱり2ステップくらい上がったところから、もう一歩上がるためのもがきに入っている感じです。今回問題だったテーマを、みんなで知恵を絞り、最終戦で勝負できるように準備していきたいと思います。J-GP2クラスはサバイバルレースというか、予選までの組み立てで名越の仕上がりがそこそこ良く、コースレコードブレークは果たせなかったけど、タイムが上がり、あそこで勝ちきったのは評価したいと思います。榎戸に関しては、しっかりとステップを踏み、勢いだけじゃなく、真の速さ、強さを持つライダーになってほしいと今、我慢させてチームのスタイルを学んでいます。しっかりとそれを自分のモノにしてきていて、優勝まであと一歩、というところまで行ったので、さらに成長できたレースだと思います。ST600クラスの上原は、前戦の1ポイント獲得でホッとしたのか、オートポリス自体が悪くないのか、テストから少し良い状態でした。まだ周りの人がアドバイスしてくれることをに対してしっかりとトライすることができずにいますが、上向きなので、最終戦はさらに成長してほしいですね。」