2018年全日本ロードレース選手権第7戦オートポリス
水野涼
「残念ながらフィジカルコンディション的には未だ万全ではない状況で、でもその中で最善は尽くせたと思います。レースは序盤に力みすぎていたようで腕の感覚がなくなってしまい、とても厳しい状況となってしまったのですが、一桁の順位でゴールできましたし、最低限の結果は残せたかなと思います。次の岡山までには1ヶ月あるのでまずはしっかりと身体を治し、良い結果を出していきたいと思います。」
名越哲平
「去年、今年と鈴鹿8耐に参加することができ、良い経験をさせていただいているのですがそれがタイム、結果に繋がるかというとそういうわけでもなく、何をどうすれば1000ccマシンに乗った経験を生かせるのか、自分の中で整理しながら今回のレースに向けた事前テストに臨みました。決勝は勝てるレースだったと思いますが、接戦の中でトップ争いをするという初めての経験で、負けてしまったのはそこだったのかな、と感じています。このクラスで勝てるという手応えは感じることができたので、そこは大きな自信になっています。残り2レース、どういう展開になっても勝てるよう、しっかり準備していきたいと思います。」
上原大輝
「今年ST600クラスにスイッチしたのですがなかなかうまく走れず、正直言って自信を失ってました。でも事前テストから本田会長や堀尾チーフメカニックにいろいろとアドバイスをいただき、雨のコンディションでもマシンに対して安心感を持って走ることができました。決勝は朝起きたら晴れていて、自分としてはウエットの方がフィーリングが良かったのでそこで少し不安になったのですが、メカニックの飛鳥井さんがうまくバイクをセットアップしてくれて、ドライでも良いフィーリングで走ることができました。今回のレースでかなり自信を取り戻すことができました。次の岡山も最初からしっかり攻めていきたいと思います。」
本田重樹監督
「JSB1000クラスの水野は8耐での骨折以来、初のレースとなりました。雨の影響で土曜日のレース1がキャンセルとなり、日曜日の1レースだけとなりました。水野はレースペースのロングランに、骨折した腕がどれだけ耐えられるか不安がありました。スタートで斜走して来たマシンに塞がれ、危なかった場面があり若干順位を下げましたが、その後着実に追い上げ、当面の目標である一桁フィニッシュとなる8位でゴールしました。涼の体調が早く戻り、更に上を目指せる事を望みます。J-GP2クラスの名越は事前のテストからコースをうまく攻略し、雰囲気が悪くなかったので期待を持って臨んだレースとなりました。予選では結果的にライバルを引っ張ってしまい、自身のスタートポジションを落としてしまいましたが、レースでは積極的に出てレースをコントロールし、最後までバトルになりました。ゴールラインでは僅かにライバルに先行されて2位となりました。マシンの調子も良く、勝ちをねらえたレースなので残念でしたが、今後につながるものになりました。ST600クラスはこのところ走りに迷いが生じている上原。今回は少しづつ上向きになってきました。レースタイムはもう一息足りませんが、今季最上位のリザルトが本人の自信につながれば、今後のレースが楽しみになってきます。元々センスが良く、ある程度の走りがすぐに出来てしまう上原は、努力や研究して走りを磨くやり方に慣れていないので、走りが崩れた時の対処が出来ないのが問題で、今後はその部分のトレーニングを積んで更に上を目指して欲しいものです。」
堀尾勇治チーフメカニック
「JSB1000クラスの水野は前回のもてぎのレースを自分の判断でキャンセル。今回のレースに向けての事前テストは結果的に一日しか走れず、思うようにセットアップを進めることができなかったのですが、レースが終わって冷静に振り返ってみると、そこで身体に負担を掛けずに済んだので、それはそれで良かったのではないかと思っています。レースウイークは日曜になって急にドライとなり、そこで攻めようとなったとき、身体の動きがいつものようにはいかず、それでも結果として一桁でゴールできたので、そこは良かったと思います。ただ彼の来年のことを考えた時に、残り2レースでの結果というものが大きな意味を持つことになると思うので、今回の経験、さらに次回岡山のレースは事前テストもできるので、そこで良い流れを作り、8耐でできなかったことをしっかりと最終戦2レースで見せてアピールして欲しいと思います。J-GP2の名越は前回のもてぎでJSB1000クラスのスプリントレースに出て経験値を増やし、今回のレースウイークでは周りで見てくれている人たちも成長できているという評価を受けました。目の前の問題点を解決するだけではなく、決勝の周回数を想定した中でどういうセットアップをしていくのか、ライダー側で解決できる部分はどこなのか、そういう判断をしっかりするようにと言い続けてきていますが、それが今回はできるようになっていました。優勝争いを最後まで展開するという経験値の少なさで2位になってしまったわけですが、回りが状況的に厳しくなる中で、走りの工夫で最後までトップ争いに加わったのは大きな成長だと感じます。ぜひ残りの2レースで勝ちを期待したいですね。ST600の上原は今年からこのクラスにスイッチし、彼の良いところをうまく引き出せるようなライディングができず、苦労していました。今回のコースの特徴もあり、彼の良いところがうまく走りで見せることができ、それがタイム、結果に繋がったと思います。まだまだ伸び代は大きいので、ステップバイステップで前進していって欲しいですね。今季ここまでなかなか良い雰囲気のレースを見せられずにきていましたが、今回は全員がそれぞれのレースの中で成長を感じさせてくれました。これも若手育成の難しさだと思います。彼らのポテンシャルに期待しつつ、引き続き良いサポートができるようチームとして頑張っていきたいと思います。」