2017年全日本選手権第9戦MFJ-GP

RACE1

RACE2

高橋 巧
「絶対にポイントを落とせないレースだったので緊張してレースウイーク入りしました。レース1で2位になり、そこでランキングトップに出られたことで少し気持ち的に楽になりました。レース2では勝ってチャンピオンを決めたいと思っていましたが、走り出して2周くらいしたらペース的に厳しいことが分かり、とにかく一つでも上の順位でゴールしようと集中しました。ゴールの瞬間は嬉しいというよりもホッとした気持ちが強いです。どんな状況でも僕を信じ、サポートしてきてくれた本田監督にまず感謝の気持ちを伝えたいと思います。」

水野 涼
「レースウイークに入ってからライバルに対して今ひとつアドバンテージを持てず、苦しい戦いを強いられてしまいました。チャンピオンらしいレースをしたかったですがそれが出来ず残念です。でもチャンピオン獲得という最大の目的が果たせたので、頭を切り替えて来シーズンに向けて準備をしていきたいと思います。」


名越哲平
チャンピオン目指して戦いましたが、一勝もできずに終わってしまいました。シーズンインから苦戦し、たくさんアドバイスをもらいながら取り組み大きく成長できましたが、結果として残らなかったことがとても悔しく、応援していただいたのに申し訳ない気持ちでいっぱいです。全日本は終わりましたが、アジア選手権最終戦があるので1年間学んだことをそこでしっかり結果に残せるよう、考え方やライディングを見直し貪欲に勝ちを狙います!」

本田重樹監督
「JSB1000クラスの高橋 巧は念願のチャンピオンを決めるべく果敢に攻め続け、今年のチャンピオンにふさわしいレースが出来たと思います。最終戦では2レースとも優勝こそ出来ませんでしたが、守りに入ってもおかしくないレース2での戦いは、見ている私たちも胸が熱くなるほどのものした。来年以降の戦いの場、環境はまだ未定ですが、まだ27歳の巧です。益々円熟味を増したライダーとなるでしょう。岡山で既にチャンピオンを決めているJ-GP2クラスの水野は積極的にトップを目指してレースしましたが、少し無理したようでシケインの飛び込みでオーバースピードになり切返しでフロントをすくわれ転倒。マシンを起こして再走しましたが、15位まで上がるので精一杯でした。今年一年、冷静にレースをこなしてきた水野にしては珍しい転倒でしたが、チャンピオンになって安心することなく前を追う姿は来年以降の戦いに生きるはずです。ST600クラスの名越哲平は、最終戦までリズムに乗れなかった感があります。今後はセッティング能力の強化と精神的なタフさを身に付ければ本当の意味でのトップライダーに成長すると考えます。来年が楽しみです。JP250の上原大輝は国内ライセンサーながら、常にトップを争う実力は十分国際で通用するものでした。レースでは冷静にトップグループを形勢し、最終ラップに計算通りバックストレートでトップに立ち最終シケインに進入しましたが、さすがにレース経験豊富な国際のライダーたちは上原が空けたわずかな隙間に飛び込み、上原ははじき出される格好になりゴールラインでは4位となってしまいました。レース後、悔しそうな顔をしていましたが、こういった経験の一つひとつが成長のための栄養となる事でしょう。今年は皆さんにたくさんの応援をいただき、MuSASHi RT HARC-PRO.として参戦した二つのクラスでともにタイトル獲得を果たすという最高の結果を得ることが出来ました。本当にありがとうございます。来年も頑張りますようで引き続き応援、宜しくお願いいたします。」

堀尾勇二チーフメカニック
「JSB1000クラスはメインターゲットを鈴鹿8耐とし、鈴鹿のコースに合わせて昨年のシーズンオフからマシンを作ってきました。そういう意味で、最終戦は走り出しからトップタイムもマークでき、上手く運べましたが反面、前回の岡山のように他のコースへの対応という点では厳しい部分も持ち合わせており、楽観視は出来ませんでした。そんな状況下でも、チームとして攻めようという姿勢は崩さず、レースウイーク中には来年に向けた新たな要素にもトライ。これがポジティブな結果を出してくれたので今回のレースにも採用しつつ、セットアップを進めていきました。巧も走り出しから気合い十分で我々を引っ張っていく勢いを終始持ち、それが結果に繋がったと感じています。今までにもランキング2位でタイトル獲得が狙える位置にいたシーズンもありましたが、今回のように最後の最後までタイトル争いに絡んだというのはこのクラスではなかったことで、そうした厳しい状況の中でしっかり取り切ったという経験は巧にとっても貴重な物になったはずですし、何よりもそれを獲ったということが大きな自信になったはずです。対してJ-GP2クラスの水野は日本GPに向けて他社のタイヤに順応し、レースウイークではやりたいことが出来ていれば最終戦でも違った展開になったのではないかと思います。ところが日本GPではずっと雨の中での走行になり。そこでライディングのリズムが崩れてしまっていました。でもチャンピオンらしく頭を切り替え、集団の中でクレバーに組み立てていましたが、走りのリズムの狂いがそこでも出てしまったのかもしれません。」