Vol.241 2016年開幕筑波
熊本地方を襲った大地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復興をお祈り申し上げます。
MuSASHi RT ハルク・プロ代表 本田重樹
2016年の開幕戦が筑波で開催された。昨年は久し振りに全日本開催の予定だったが例の大洪水で中止になった経緯がある。しばらく筑波で全日本を行わないと施設が小さく感じるのは気のせいかな?まあパドックを歩き回る俺としては、楽なんだけどね。(苦笑)
以前は無かった最終コーナーアウト側のグリーンゾーン。あれは危ないね。何でも4輪の対策らしいんだけど、バイクで転んで滑って行くとグリーンゾーンにあるツブツブの突起に引っ掛かり、ツナギなんかボロボロになる。そこで転倒した宇井はツナギが破れ、グラベルに出てから色んな部品のかけらが腕に刺さり、なかなか止血が出来なかった。皮肉な事に筑波の職員曰く「あのグリーンゾーン承認してくれたのは宇井さんですよ」(苦笑)これからはグラベルの掃除を丹念にやってもらうしかないな。
俺達は事前テストから調子も良く期待を持って筑波入りしていた。事実、みんなタイムも良く若い三人(平均年齢17,7歳!)は元気良く走っている。ところが、若いライダーは怖い。期待度が高かった涼がテストで転倒、新しいタイヤの確認中だったんだけど、経験値が少ない若いライダーだと言う事をうっかり忘れた(それ位調子が良かったんだ)調子良く走っていた涼にその後少し陰りが見えた。
今回は初めての2レースで行われたJ-GP2クラス。土曜日のレース1でも涼は転倒、俺の悪い予感は当たってしまった。
明けて日曜日、オープニングレースはJ-GP3栗原佳祐がポールポジションスタート、序盤からトップに出て最後までキープ、自身嬉しい全日本初優勝を決めた。最後の2周は傍で見ていても気の毒な位硬くなっていた。(苦笑)
二番目はST600の名越哲平、トップグループに喰らい付き、三番手まで上がった時に赤旗中断。残り15ラップでレース2、しかしスタートでまたもクラッシュ、再び赤旗。
俺は哲平に「心配するな、ドキドキしているのはお前だけじゃないみんな同じ、普通に走ればさっきと同じポジションはキープ出来る」アドバイスしたら、ホントに普通に走っていた。ラスト2周でトップ2が目の前で転倒、佳祐のラスト2周とは全く違う形での全日本初優勝となった。
哲平は俺達が若手育成で始めたMuSASHiスカラシップトレーニングの一期生で、中野真矢と忠さんから預かったライダー。全日本二年目の開幕戦で優勝なんて、少し出来過ぎ感が有るけど良かった。スカラシップトレーニング校長の坂田や先生だった龍太も教え子の活躍に喜んでいたな。
最後が調子を崩してしまった涼。案の定良かった時の切れが無く、淡々と走り4位。悪くは無いけどもっと上を狙えていただけに少し残念だったな。
今年ハルクのHP6q(クワトロ)は三人の若いライダーが駆る。三原壮紫・国峰琢磨・水野涼の三人は、群馬の榛名サーキットで74ダイジロウの時代から覇を競っていた幼馴染。当然ライバル心は強い。
今回は国峰が少し抜けたが次回以降が楽しみだ。
今週は鈴鹿で2&4.巧のオープニングレースだ。今年位シーズンオフにテストをした事は無かったのでニューパッケージがどれ位寄与するか、不安と期待が入り混じっている。