Vol.138 シーズンオフのハルク
昨日東京は雪が降り寒い、今年は地味に良く雪が降る。
俺達は明日からST600チーム、龍太とタカを連れてタイにトレーニングに行く事になっている。早くこんな寒い日本から脱出したい。
トレーニングに必要な物のパッキングは済み、現地の情報も、同時期に125走らせるエンデュランスの先行隊? 近藤君に連絡を取り最終確認も取った。
APホンダのスタッフから電話が来てたので、光太郎に「タクシン元首相事件はどうなったか?確認して」言った。色々な打ち合わせのあと、光太郎が俺の心配している事を伝えたら、彼曰く「マイペンライ!」まったくタイ人はこの言葉を平気で使う。まあ日本語の感覚で言えば、(大丈夫・問題無い)みたいな感じなんだけど。俺達日本人はその言葉を使う時、9割方上手く行く場合に使う事がある。彼らは???結構平気で使うよ。(笑)
確か去年か一昨年は空港が占拠されたんじゃなかった?彼が、バンコックのホンの一部での出来事なので大丈夫(マイペンライ!)(苦笑)
まあ、ダメな時は近付かなければいいだけだ、その時は日本に帰るのが遅くなるだけサ。俺も思った。マイペンライ!大陸的な大らかな言葉である。
先日龍太が主催したカート大会があって、ハルクはほとんどのスタッフが参加した。俺には「今度の日曜日カート大会があるので行きましょう」と、だけ伝えられてた。スタッフのみんなは昼飯時などに結構その話で盛り上がってたらしいが、俺はまったく内容が分からないまま行ってしまった。ナント!スタートは夕方6時、1時間の耐久レースで3人位で交代しながら走ると言う。場所はラー飯能というカートコースで結構な山の中。(寒いぞ)
確かに寒かったが、レースでは盛り上がった。俺達のチームは俺とウチの工場長、それに新人の裕峰(ゆうほうと読む)当面のライバルは、チーフ堀尾率いるハルクBチーム。
悪運?強くポールポジションをGETしたハルクBチームは余裕綽々。それ以外は龍太チームや、後でその悪態?を記述する事になるチーム小室。その他アライヘルメット関係者を含め、10チーム程が気温0度暗闇の極寒レースに挑戦した。
スタート火ぶたが切られた。意外?な才能を見せつけ、ナント!チーム小室の優・松井(小室の親友で去年までのメカニック)が余裕でトップを快走する。俺達のトップは裕峰で、たかだか15分間で3LAPされてしまった(泣)普段の足がシルビア、ドリフト仕様になっているので、結構やる奴なのかと思ってたのに、格好だけの奴でした。
その後俺達は工場長が安定した走りで3位のポジションに、俺に代わった。そのセッションで事件があった。一生懸命走っている俺のカートに、ドン!「ウッ」ドカッ!!「ウギ」
ドッカーン!「痛ッい」誰かがバックからサイドにとアタックしてくるんだ。5回程のアタックの後静かになったので振り返ったら、小室が横を向いていた。「あの野郎!許せねー」
良く考えれば小室も現役のライダー、いくらお遊びのカートとはいえ、仮にもレースと名のつくもので、還暦間近のオヤジの後塵を浴びたままというのは、本人的に許せなかったのだろう。でも残念ながら自爆により脱落。今年一年は「小室は、俺を抜けずに自爆したバカ者だから」言われる事になるだろう。小室が最も恐れていた事態だ。(笑)
先日も飲んでる時にその話が出た。先輩思いの小野真央が、電話で小室に「オマエ社長にアタックしたらしいな、いまだに肋骨痛いらしいぞ」俺に代わったら小室が「社長!お大事に」バカやろー!お前に言われても嬉しくね~。(苦笑)