Vol.139   タイトレーニング

タイのトレーニングから帰って来た。テストはバンコクから高速道路で1時間半位、BIRAサーキット。1周2,4Km程度だがランオフエリアが少なく、コースアウトは命取りになる、俺は龍太・タカをバイクに乗せてコースを回りながら「リスクの高いコーナーは押さえて走れ」指示したよ。

タイは乾期で雨は降らず、毎日絶好?のテスト日和が続いた。俺なんか毎日コースサイドで一日中ライダーの走りをチェックしてるもんだから、日焼けして真っ黒!ついでに休みの日はゴルフまでやったから、更に日焼けに拍車をかけた。

ゴルフと言えば、サーキットから目と鼻の先、新コースは肉眼で普通に見える位の距離でLPGA(全米女子のプロゴルフツアー)の開幕戦が行われていた。(ツアーはオールドコース)その最終日、サーキットの駐車場もゴルフ場に開放するとの事で使用出来ず、マシン整備になった、居てもたってもいれず観戦に行ったよ。普段TVでしか見られない著名な選手を間近で見れたので日焼けの事なんか頭から吹っ飛んでたな(苦笑)
運よく、宮里藍が勝利を決めたチップインバーディーも目撃したよ。諸外国の大きな(ミッシェル・ウィーなんて化け物!)選手を相手に果敢に攻める彼女(ホントに小さい)の姿勢は、ゴルフファンならずとも感動を受ける。

サーキットに戻ってからその活躍をウチのスタッフに話した。特にタカには「藍ちゃんだって、アメリカに行って何年も苦労し、やっと開花したんだ、タカも諦めずに頑張れ」話をしたよ。海外でスペイン選手権から数えて4シーズンを戦ったタカは今年日本で走る、でもそれは再度ワールドチャンピオンシップへ戻るための修行なんだ。やけに神妙な顔でタカが聞いていたな。

海外で初めて走る龍太は、日本とは比べ物にならないスリッピーで荒れたコースに戸惑い、なかなかペースを上げられない。タイに来て初めて600に乗ったタカが順調にタイムを上げていくのに対して焦りすら感じてるようだった。俺は「龍太はタイヤのテストが多いからタイムは気にするな」慰めたが、本人は相当気にしてる。今年龍太が一念発起してチャンピオン争いするのには、タカはいいカンフル剤となるか?

タカは本当に順調に周回を重ね、全900Kmくらいの走行でレコードのコンマ5秒落ちまで詰めた。600初乗りから三日目で!大したものだ、なぜ?こんなに速い奴がGPチャンピオンシップで沈んでいたんだろう、不思議でしょうがない。
龍太と共にST600クラスを盛り上げるのに十分なポテンシャルを持っている。

毎日6時起床で一日テスト、夜は食べ付けないタイ料理。俺はひたすらシンハービールを飲む事に徹していたよ。(笑)なんたって辛さで定評のタイ料理、ビールが合わない訳がない。食事が終わったらタイ古式マッサージ、たっぷり2時間やるんだが、俺は10分位の感じしかしない。それはそうだ、となりで新入りメカの裕峰が「社長、爆睡でしたよ」高いのか安いのか?不思議なマッサージである。