Vol.153 後半戦スタート!菅生
今年の菅生は暑かった。
全日本の後半戦が始まった。これからの二カ月は最後の追い込みになる。
前週のテストから調子の上がらなかったハルクチーム、レースウイークに入ってもまったく変わらない。それに加えて金曜日に揃いもそろってマシントラブルが続出、俺達はてんてこ舞いになっていた。
やっとの事でマシンを仕上げ土曜日の予選でまたもアクシデント、タカがレインボーコーナーで転倒、ピットに戻っては来たがタカの左手は思いの他重症だった。
125の修充・龍太・巧まで、負の連鎖とも言える状況だったよ。マシンは何とか走らせる事が出来ても絶望的なトップとの差、普通ならこういう状況で小西がいいムードメーカーになるんだが、その小西もタイムが上がらないから始末が悪い。宿に帰って酒を飲みながらリラックスを演出しても、みんなの気持ちは“心ここにあらず”俺もなす術がなかった。
明けて決勝の日曜日。先鋒修充に「元気よく行け、レースは勝つか負けるかだ。技術よりも気持ちで行け」何の事かさっぱり分からないアドバイス。(苦笑)気持ちで行き過ぎたナオは、突っ込みすぎて逆にタイムを落とす最悪パターン。それでも何とか一桁フィニッシュしたのは良かった。
前日から執拗なアイシングを続け腫れと痛みを抑えたタカ、そのヤル気満マンな態度に今回もアドバイザーとして帯同してくれた岡田が、片手が使えない時のマシンのサポート方法について良いアドバイスをくれた。(さすが!伊達に経験を積んでない)
スタートこそ上手くクラッチミート出来なかったせいで遅れたが、その後はガンガン行き、前を行く龍太をも抜き去った、そこで火が付いた?龍太が、鬼の反撃でゴール前、執念の先行チェッカー。終盤ペースが落ちていた龍太が、手負いのタカに抜かれたことでペースを取り戻した。難しいモンだ、ペースが落ちなければもっと上位でゴールしていたはずだけに悔いが残った。
前日電話でお母さんと大喧嘩したと言っていたが、大したモンだ。笑っちゃうくらい痛がりのタカだけど、これからは少し見直すと共にただオーバーなヤツだという事も心に留め置くことにする。(笑) ST600の二人も何とかシングルフィニッシュだった。
最後が小西と巧。巧は朝のフリーで大幅なセッティング変更を敢行したのが功を奏し、昨日までよりはカッコがついてきた。スタートは良かったが1・2コーナーでロスした巧は先頭グループから離されてしまい、前を塞がれ終盤に4位になるので精一杯だった。チャンピオンシップを考えると4位はきついが、シーズンの中ではそんなレースが必ずある、それをどうやって乗り切るかで決まるんだ。今回の4位は巧のスピリットにも火を付けた。次回から巻き返し、最後に笑って表彰台のテッペンに立つ巧を想像するよ。
コニーは頑張っていたが今回投入のニューパーツが上手くセッティング出来ず苦戦していた。コニーはST車両に負けた事でショックを隠せなかったが、元々改造範囲が厳しいJ-GP2 クラス。セッティングし切ったSTなら結構行けちゃうよ。問題はそんな中途半端な技術規則のクラスを作ったことなんだ。ましてやSTがそのまま走れる。走っているのが辰也だから言いたくはないが、他のSTクラスのライダーだってあまりいい気持ちはしないだろうな。単純にウィークで倍以上走る機会に恵まれるんだから。
レースは気分悪く終わったが、その晩は楽しかった。レース界の人間をゴルフ馬鹿にするエイリアン!エイジュウプロのある米沢に行き、楽しく飲んだ。翌日はゴルフだって言うのに、吉川和多留は俺が持ち込んだ銘酒を一気飲み、へろへろになってた(笑)楽しいのは和多留だけじゃない、俺も昼間のうっ憤が溜ってたせいか?途中グロッキー。まあ皆で楽しく飲めるのはいい事だ。
楽しく飲めると言えば、菅生の前に豊橋で武蔵精密さんが8耐祝勝会を開いてくれた。大勢の人がお祝いに駆けつけてくれ、大いに飲みました。世の中にこんなに美味しいお酒があるのかと感心して飲んでたら完全に潰れた、いつも美味しい酒を飲めるといいな。有難うございました。(武蔵精密役員の皆さん、カラオケ練習していつでも僕に挑戦して下さい)(笑)