Vol.185 2012年 冬
年が明けて平穏な日々が続いていたが、最近少しずつ身辺が慌しくなってきた。
寒い日本は冬の間バイクに乗るのはあまり適していない。ツーリングならまだしも、レーサーとなるとセッティングがままならない。特にタイヤは適正温度まで上げられず、グリップも悪くサスセットも決まらない。ただ、エンジンだけは良く回る、外気温度が低く空気の密度が濃いから。今年海外へ行くTSR藤井が、謙太のバイクが225Km/hを記録したとブログに書いていたが、正にそれぐらいエンジンに関しては本当に差があるんだ(気温が上がるにつれて・・・?)。
今週、ナオが筑波にテストに行った。今年GP-2で使うホイールGALESPEEDの比較だ。ところが筑波についた光太郎からメール、ナント!路面温度-4度。俺はとにかく転ばない事を祈ったよ(苦笑)。それでも午後には少し気温も上がりテストは無事終了した。
今年は出来なかったが、来年は海外の温かいサーキットで冬トレーニングをやるつもりだ。毎年考えてはいるけど準備が間に合わない。特に巧なんかは、マシンも無く走る事も出来ない。とにかく温かい場所がいいんだ(特に俺はネ)。
何故、身辺が慌ただしいか?まだ書けないけどそのうち発表になるから、その後で。
ハルク・プロは国内のレースだけでなく、海外も視野に入れている。俺は藤井のようにヨーロッパを起点としたレースじゃなく、アジア諸国のレースだな。
GPは俺達がやらなくても歴史があるし、文化として受け止められているから、ある一定の市民権みたいなものを得ているが、日本を始めアジア諸国では?まあ、俺の感じるところ、日本よりはマシだけど。
アジア諸国のオートバイレースは独特な雰囲気を持っている。世界を統括するFIMの傘下にもなっているんだが、2輪マーケットはアンダーボーンのマシンが主流なので独自の進化を見せている(ガラパゴスの動物みたい?(笑))。しかしタイやインドネシアでは、一カ月で日本の一年分位の台数を売ってしまう巨大なマーケットなんだ。アンダーボーンのマシンでレースをやるのは、各メーカーがマシンの優秀性をアピールするのが目的。実際、レースの成績はイコール販売台数の成績となって表れると言っていた。
だからと言ってハルク・プロがアジアでレースをやって何になるか?ましてや600で、一口に言って市場育成かな?俺はレース市場が大きくなってくれる事を願っているから、日本だけでなく、アジアのレースが成長してくれれば、うまく日本と連動して本当の意味でのアジア選手権に発展出来ると考えている。
日本から近いアジアのレースが盛んになれば、日本のライダーの刺激にもなるし、レベルの向上にもつながるだろう。
先日、GPツアーも開催しているイースタートラベルの恒例の新年会があった。今年もアットホームな感じで楽しい飲み会だったな。その席上、坂田一人が「就活中なんですよ」と言ってたから、俺は酔った勢いで「じゃあ今年はハルクで仕事しろ」って言ってしまった。ギャラは1ミリオン!断っておくが、1ミリオンの後に円とかドルとかは、絶対に言っていない。リラかなドンかな?(笑)まあ、坂田がウチの若いライダーを見てくれれば必ず成功する。ナント言っても世界一に二度もなった男だ。引出しの多さ、スピード、経験すべてにおいて完璧だ。今年も楽しくなりそうだ。