Vol.15  気持ちは鈴鹿8耐に向かい

今は全日本選手権も夏休みで、もっぱら鈴鹿8耐に向けたテストに明け暮れている。

去年はベテランの小西がセッティングしたマシンを安田が乗り慣れるにしたがいタイムも上がっていったが、今年は安田が積極的にセッティングしなければならない。治親は安田に遠慮しているのか積極的な意見は出さないので結果としてヤスが主導権を握るのだが、これが心もとない。

バイクのセッティングは2種類ある。

ひとつは合理的に進める方法で、一般的な手法だ。もうひとつは好みの方向にマシンを持って行く手法で、例えば安田の場合はコーナーの進入速度を上げる方法として、飛び込み速度を上げて一次旋回中に少しずつ速度を落として帳尻を合わせるのが特徴だ、したがってフロントサスに掛かる負担が大きくなるので、セッティングはフロント寄りになる。

本来セッティングはニュートラルな方が幅広くサスを使えるので、万人向きでアベレージタイムもバラツキが少ない。

ところが最近は様子が変わってきた。

自分好みのセッティングでタイムが芳しくないヤスが、治親の好む方向性に変え始めたのだ。今度は治親にプレッシャーが掛かってきて、セッティングに関する注文が交錯する。しかし面白いもので、セッティングの主導権を譲ったヤスは順調にタイムを上げてくるようになってきた。自分が良かれと思ってセッティングを進めても結果が思わしくなく、人のセッティングでタイムが上がってくる。
良くある話だ。

我々にとってみればどんな方向性でも、アベレージタイムが上がりタイヤに優しければ構わない訳で、要は二人のチームワークが良くなればOKなんだよね。試行錯誤の末、二人のアベレージタイムも我々の想定していたものに限りなく近づいてきた。

耐久レースを戦う時、ライダーのコース上のタイムも大事だが、ピットワークも大事なことは言うまでも無い。

例年、セブンスターチームを筆頭に、何チームかピットワークが速いチームがいる。彼らのピットワーク設定タイムは分らないが、我々より確実に10秒は早かった。今年はハルクチームのピットワークも早い部類になるよう準備しているところだ。
先日セブンスターチームの監督さんに設定タイムを聞いたら17秒だって(前後タイヤ交換&ガス給油で)。

でも俺は騙されないよ。

先日の鈴鹿300KMレースではそんなに遅くなかったからな。耐久レースの大先輩、TSRチームが14秒位かな?セブンスターチームが12秒位だろう。たかが1・2秒されど1・2秒なんだ。7回のピットでそれだけ差が開いてしまうと、必死にコース上を走っているライダーに申し訳ないからね。ハルクチームのピットストップタイム・・それはお楽しみ(笑)

#73 オートレースチーム・ハルクプロ急募.comのマシンが今年の8耐を少しでも盛上げるようになれれば最高にハッピーなんだけどな。

忙しくレースの準備をしながらも、レースが終わった後のビールの味が楽しみでしょうがない、今日この頃です。