Vol.54  俺達や協会の役割

東京都三宅島でオートバイレースを開催しようとの動きがある。
もちろん三宅島にレーシングコースなんて無いから、公道で行う。言わばマン島TTレースのような形態を想像してもらえればいいと思う。
ご存知のように三宅島は火山の噴火により長い間島民は避難を余儀なくされていた。現在やっと非難勧告が解除され、約3000人程の島民が帰島しているようだ。昨年、石原東京都知事が三宅島の復興活性化の目玉としてバイクレースを打ち出した。
普段俺たちはクローズドサーキットでレースをやっているから公道でのレースとなると大分勝手が違う。
安全面に関しては特にそうだ。
バイクのレースには転倒が付き物である。したがって、各クローズドサーキットは転倒時の危険回避、二次事故の抑制等に神経を使う。俺達は各サーキットの安全対策やコースオフィシャルの対応等に守られて、全開でレースが出来てる。
そこで、三宅島レース。
島の復興、PRの部分に口を差し挟む気は毛頭無い。
どちらかと言えばもろ手を上げて賛成だ。
ただ、問題はレースのやり方。
石原都知事は正しくマン島TTを模倣したレースをやりたいらしいが、マン島TTは長い歴史に裏打ちされた確固たる信念を持ったレース。
一朝一夕で出来るとは、とても思わない。恐らく東京都は知事の意向を受けて開催に向けた準備をしている事だろう。
しかし残念ながら所詮素人である。
日本におけるモーターサイクルスポーツを司るのはMFJである。関東を中心にMCFAJが存在するが、全日本規模の場合、MFJ無しでは考えられない。そのMFJがどういった形で三宅島のレースに介入するのかは分からないが、日本におけるオートバイレースの基軸をなすMFJが、その存在感・価値観を問われる場面になってきた。
石原東京都知事、政治家としては東京都民が選出した事でその存在感・価値観は衆目の一致するところである。その知事が出した案をどのレベルで具現化させる事が出来るか?
俺達参加側も含め、思案の為所である。