Vol.58 鈴鹿テスト
もてぎのレースで久々に惨敗し、俺たちは翌々日に鈴鹿に向かった。
今後のレースを戦うために何が足りないのかを検証したいからだ。
厳しい状況の中で必死に頑張りながら、転倒により戦線離脱した小西も積極的にテストをこなした。考えうるセッティングをほとんど試した事で、方向性がおぼろげながら見えてきた。
今年のCBRは低中速域のパワーが良く出ている。したがって、コーナー脱出時のアクセルワークが非常にデリケートになっているのが特徴なんだ。エイ・ヤ-でスロットルをひねると、たちまちスリップダウンかハイサイドを喰らう。今回の鈴鹿では、この特徴を余す事無く加速につなげるためのトライがなされたんだな。俺達の大事なパートナーであるブリヂストン開発グループの松永氏(通称マッチャン)からも数多くのアドバイスを貰った。ヤッパリ俺達とは違う観点からバイクを捉えているので参考になる事が多々ある。マッチャンも自分のチームを持つ身だからさすがに鋭いアドバイスが多い。頼りになる男である。
ヤスもトップタイムには届かないながら、もうひと踏ん張りのところまで追いついてきたのでひと安心だ。2&4のウイークではもう少し詰められると思うので何とか間に合うだろう・・・と勝手に判断している。(苦笑)
七割方うまく行き、2日間のテストを終わってすぐに白子から電車で帰路に付いた。
近鉄名古屋駅に着くと改札口の前に新幹線の券売所がある。ここで切符を買うのが早いんだけど、皆同じ考えなので凄く混む。
頭のいい?俺は、名古屋の手前から先頭車両の出口へ向かい、名古屋到着後悠々とホールショットを取った(笑)。
人間歳を取って来るとくだらない事で喜ぶもんなのだ。
極めて少ないタイムロスで東京に帰ってきた俺は、その足で新宿に向かった。
忠さんが自伝を出版して、その出版記念パーティーがあるからだ。
なんだかんだ言って飲み会を催す忠さんはエライ!まあ、当の忠さんは、あんまりそういった機会が多いとみんなに迷惑を掛けるのでやりたくないと言ってたが、始まってしまえばいつもの忠さんだった(笑)。
俺っ?久し振りの新宿だったので自然に背中に羽が生えてた(苦笑)