Vol.70  ’07岡山

俺たちの全日本選手権もいよいよ岡山まで来た。
岡山ラウンドは毎年全日本の終盤に行われるから、いよいよ大詰めの感がある。

今回はいつもよりスタッフの数が少ない。
森が不参加なんだ。
菅生でのクラッシュの影響が残っていて走れなかった。

ライダーが走らなくても運ぶ機材、部品、マシンに大差は無いので、いつもの4t2台と移動用ハイエース合計3台での移動だ。スタッフの数が少ないと言う事は、いきおい運転手の数も少ないと言う事になるので、久し振りに俺も運転手になった(汗)。
最近の4tは速い!
スピードが出るという事じゃなくて、スピードが落ちないんだ。
俺も昔はよく4tを運転してサーキットへ行ったもんだ。その頃の4tは登り坂になるといきなりスピードが落ちたもんだが、最近の4tときたら俺のハイエースが置いて行かれる位速いんだな。
ウチのハイエースだって最速バージョンなのに・・・。

そんな訳で、あっと言う間の宙返り!で岡山に着いた。
さすがに高い道路税金を払っている国だけあって、交通事情、それも高速道路事情は格段に良くなっているよ。

事前テストではあまり感触が良くなかったので、他のチームの動向が気になったが、蓋を開けて見たら・・・だったかな?(笑)
フリー走行から600の小西が全体をリードする形が出来上がっていた。
タイムこそ昨年の大作を上回れなかったが、一人33秒台に入れ少しホッとした。
安田はトップクオリファイに残る事は出来たが依然として表彰台圏内のタイムには届かない。
まだまだ課題が残っているんだな。
決勝では難しいコンディションの中、小西は快走してパーフェクトな勝ち方だった。スタート前まで「もう、どうやって走ればいいのかわからない。逃げ出したい」と弱気な言葉ばかり吐いていた男が、実際には見事なレース展開を披露。ライダーの心の内なんて分らないもんだ(笑)。
先輩小西にいいものを見せられた安田も、頑張って5位までリザルトを上げてゴールした。
レースが終わってルンルン気分の二人。
特にヤスは帰りの車を運転する事なんか吹っ飛んで、小西の車で京都方面に去ってしまった。
「社長!帰りは俺が運転しますよ」なんて言ったのに、とんだうそつきだ。
帰りのハイエースの中には、眠眠打破の瓶を片手に格闘する俺がいた(冷汗)。

菅生でのアクシデントから一ヶ月、奥野選手が息を引き取った。26日の水曜日に入院先の病院で帰らぬ人になってしまった。ご遺族がレース関係者に配慮して発表を岡山のレース後にしていただいたようだ。残念ながらまた一つ、大切な命が消えてしまった。
奥野選手のご冥福をお祈り致します。