Vol.72 鈴鹿MFJグランプリ
最終戦が終わった。
今年もチャンピオンになる事が出来た。
ホッとした。
俺達の一年はレースシーズンと共にある。シーズンが始ると寝る間も惜しんでレースに没頭する。
今年の開幕戦もてぎでは散々な目にあって、「今年の俺達は一体どうなるんだろう?」そんな気持ちでスタートしたのが昨日の事のようだ。
シーズン前に俺は「新しいCBR600RRだから小西に乗せるのがベストな選択なんだ」みたいな事を言った。
良かったよ、言った通りになって(汗)。
コニーもJSBのシートを後輩の安田に譲って、ヤスがやっていた600を走らせる訳だから、先輩としてのプレッシャーが相当あったな(笑)。
レースが終わってチャンピオンが確定した後の顔は本当に嬉しそうだった。「良かったなコニー!」
対してヤスも、最後のレースは本当に気合が入っていた。
開幕のレースでは自分のポジションがどのくらいのところなのか分らないので緊張の極致だったが、俺が「いーいんだよ!気楽に行け」と言うと、それを聞いたとたん、ヤスは肩の力が抜けた。
無難に開幕戦を乗り切ったヤスが、最終戦では完全にトップクラスの走りをしていた。
大したものだ。人間は成長する動物なんだな。
SUGOで大怪我をした森も開き直って思い切り走って、彼本来のポジションに戻って来た。
森は来年からクラブHARC-PRO.で走ることになっているので、最後は気合で走って結果を残したんだな。
来年につながる走りが出来て良かったよ。
俺達はレースが好きで、レースがやりたくて、普段仕事をしている。
言い換えれば結果が残らなかったら何のためにやっているのか分らない訳だ。
全日本選手権に参戦する全てのチームがそうなればいう事は無いけど、そうは行かないよな。
モータースポーツの最高峰、F1でフェラーリが大逆転でチャンピオンになった。あの最高峰のレースでさえ各チームによって思惑が違うんだ。レースの勝利の女神が最後に選んだチームこそがフェラーリだったんだな。
凄く感慨深くニュースを見たよ。
俺達も勝利の女神に見放されないように、いつまでもフレッシュでピュアな気持ちを持ち続けたいと思っている。
レース前は集中してレースに没頭している俺達だけど、終わったら一気に、溜め込んだGASを吐き出さなければならない(笑)。
今年もホンダレーシングファミリーのシーズンエンドパーティーが開かれ、俺達ももちろん参加させてもらった。
レースがいい形で終わり、ホッとした俺達がハジけない訳が無い。
ジャンプスタート気味で一気に飛ばし、パーティーの雰囲気を盛上げるだけ盛上げ、そのまま2ヒート目のハルク・プロの打ち上げ会場に到着したら???「何だ!この人数は?!」鈴鹿の小さな飲み屋だから入り切らない。何だか分らないけどハルクチームの打ち上げをやるつもりが、キチンとPRされたみたいで、店に入り切らず外の階段で飲んでる奴、店の中もグラスが足りずひとつのグラスを二人で使って飲む輩、座る場所も無くフロアーに座り込む輩と、店の中も外も滅茶苦茶になってしまった。
元々20人位のつもりで選んだ店に、恐らく3~4倍の人間が押し掛けたんだから無理も無いよな。
俺も途中からどうでも良くなって飲みに走ったよ(笑)。
翌日は朝からTSR藤井がホテルに迎えに来てくれた。
そう、GOLFに行くために。
必死に平静を装ってスタートしたが、最初の3ホールくらいまで俺の足の下で地球が凄い速さで回るので(?)どうにもならなかったな(汗)。
それでもハンデに恵まれて優勝!!!
なんだ、勝利の女神は俺に付いているんだ。