Vol.97 菅生から鈴鹿へ
夏休みが明けて恒例の菅生。
八月とは思えない寒い菅生だった。久し振りの全日本と言う事で三日制の全日本に特例が設けられて、木曜日からの走行になった。一日多い分中身の濃いものになるはずだったがとんでもない天候に翻弄されてしまった。(汗)
事前テストでは夏の鈴鹿に匹敵するほどの暑さでまいったが、レースウィークはまったくそのデータが使えない天候になってしまったのだ。
今回の菅生にも安田が出場出来なかったので再び岡田に乗ってもらったんだ。今年のCBRはセッティングがシビアでホントに難しい!なかなか本来のポテンシャルを引き出すことが出来ないんだ。事前テストでは28秒台で走った岡田が、状況が変わったウィークでは全然タイムが出て来ない。それに加えて不順な天候、路面状況、さすがの岡田を持ってしても一筋縄ではいかなかったな。(汗)
岡田が悪戦苦闘している時、神妙な顔の男が一人、事前テストで転びまくった小西だ。
小西はその風貌とは裏腹に、(笑)えらく神経の細い男なんだ。鈴鹿の8耐前に転倒し、マシンを全損させたことが尾を引いて、600の乗り方を忘れてしまっているようだ。それが事前テストでも出てしまい、攻めると転ぶ悪いパターンに陥っていた。
パッとしない小西と話をする岡田、「おまえなー、余計なこと考えてんじゃねーよ、仕事しろ!」徹底的にいじめ倒す。愛のムチだ。
そんな岡田が金曜日、俺に「小西って・・・×××(ヒミツ)」ボソッと耳打ちした。俺はハッ!としてコースサイドに見に行った。今度は俺が小西に「コニー、・・・×××」アドバイスした。ベテランライダーならではの立ち直りの早さ、予選こそ後輩の龍太にポジションを譲ったが、決勝のグリッドでは完全に勝つつもりになっていたし、実際に完全にレースをコントロールした。もしあの時岡田が俺にヒントをくれなかったら、俺も気が付かなかっただろうし、当然小西も気が付かなかったと思う。さすがに多くのライダーを観察してきただけのことはある、岡田忠之。並じゃない。(お礼に、旨い酒をプレゼントしたよ)
その岡田も何とか悪いなりにマシンをまとめ、ノックアウト予選最終セッションまで残り、8番目のグリッドからスタート、豪雨の中7位走行中に主催者判断で赤旗中断、そのままレース終了となった。本来なら25周レースの三分の二、17周がレース成立周回数だが、あのひどい雨では誰も文句は言わない、ラッキーだったのはモリワキチームかな?(笑)
とにかく辰也が久し振りに優勝した。
菅生から帰ってきた翌日月曜日、俺たちは鈴鹿に向かった、次回の事前テストのために。まったく休みの無いスケジュール、来年は少しでも改善したいと思いARTで来年からのテスト案を提示するつもりだ。メカニック達の身体が持たないし仕事が粗くなる、それはライダーの安全確保にも影響が出るから。
鈴鹿ではヤスが久し振りに乗った、十分に休ませただけあって、結構いいペースで走れたのは俺たちにとって本当に喜ばしい出来事だ。
来週の鈴鹿は久しぶりに(ホントに)ヤスとレースが出来る。小西の二連覇にも王手が掛っているのでチャンピオンTシャツ作って持って行こう。龍太も菅生で失敗したのを取り返すために頑張るだろう。
鈴鹿が終われば最終戦を残すだけになる、菅生でポイントを取り損ねた小室が、鈴鹿で頑張ってポイントを獲得すればハッピーな気持ちで岡山に行ける。最近スクエア松本浩チャンと飲んでも愚痴っぽくなるので楽しい酒にしたいもんだね。(涙)