2021年全日本ロードレース選手権シリーズ第7戦オートポリス

 

 

RACE1

 

 

 

 

 

RACE2

 

 

 

 

 

名越哲平
「金曜日は午前中の走行しかできませんでしたが、2番手のタイムを出すことができていましたし、レースウイークの流れは良かったです。レース1はソフトタイヤを履き、中須賀さんに少しでも追い付いていこうと思ったのですがスタートで少し出遅れ、追い上げのレースとなってしまいました。タイヤのチョイス的にも序盤が勝負と考えていたので、早く前に出ようという気持ちが焦りにつながり、オーバーランしてしまいました。でも第2レースに向けて、ソフトタイヤのライフも確認しておきたかったですし、仕切り直しして走行しました。終盤になってもそれほどドロップしなかったので、それが第2レースに繋がったと思います。第2レースも同じタイヤチョイスで中須賀さんを追いかけたかったのですが、序盤から離されてしまいました。中盤から後半になって濱原選手に追い上げられ、状態的には厳しかったのですがとにかく集中し、丁寧な走りでペースを維持しました。苦しいレースでしたが、ムサシさんと最後のレースですし、皆さんの思いが私を最後まで押し上げてくれての結果だったと感じています。スカラシップから全日本トップカテゴリーのライダーに育てていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。優勝でお返ししたかったのですが、それができず、現状では何もお返しできていない自分が心苦しいですが、ここまで育てていただき、本当にありがとうございました。人間的にも成長させていただいたと感じていますし、今後の私のレースで少しずつお返ししていきたいと思います。ありがとうございました。」

 

 

 

 

 

 

 

榎戸育寛
「非常に難しかったです。難しかったというか、初日の転倒がその後の流れを止めてしまい、大反省の週末となりました。マシンの修復に時間を使ってしまい、コース自体の理解度も低かった中、状況を変えようとチームと話し合って決勝に向けて違う取り組みをしたのですが、それもうまくいかず、本当に苦しいレースとなってしまいました。自分自身改善しなければいけないことがあるというのはよく分かったので、しっかりそれをこのシーズンオフの時間に修正し、来年は違うレベルで勝負できるよう頑張っていきたいと思います。」

 

 

 

 

 

 

 

埜口遥希
「事前テストからマシンの仕様が変わり、できるだけラップを重ねたかったのですが金曜日は雨となり、思うようにドライのセットアップを進めることができませんでした。タイトルがかかったレースではあったのですが、そのマシンの仕様の問題があり、気持ちはセットアップの方に向いていたので、結果的にそれほどチャンピオン獲得のプレッシャーは感じていませんでした。スタート直後からやはりセットアップ不足は感じ、かなり苦しいレースになりました。途中、小山さんが前に出て、それを追った1台が転倒し、少し離れてしまっての2位争いになりました。事前にチームとミーティングして、何位だったらチャンピオンが獲れるかというサインボードは出してもらっていたので、中盤以降はそのことが気になって、そこで初めてタイトル獲得のプレッシャーを感じました。そのため、レース終盤はかなり緊張してしまいました。チャンピオン獲得の実感は未だありませんが、さっきチームの集合写真を撮ったとき、スタッフの皆さんが本当に嬉しそうだったので、それを見たら少し実感が湧いてきました。チーフメカニック、光太郎社長、会長、チームスタッフの方々に支えられ、苦しいレースもありましたが、自分の成長を感じられるシーズンとなりました。応援、ありがとうございました。」

千田俊輝
「ケガのために事前テストに参加出来なかったことから、オートポリスのコースを600ccのマシンで走ったことない状態でレースウイーク入りとなりました。少しでも多く走りたかったのですが、金曜日は1本目がセミウエット、午後はウエットで、ドライの走行がない状態で土曜日のドライの予選になってしまいました。どこまで行けるのか探りながらの走りとなり、セッティングを詰めるよりもなんとかコースを攻略しようと走りましたが、攻めきれずにレースも終わってしまいました。今年の集大成としてトップ10入りしたかったのですが、厳しかったです。筑波のレースで良い感覚になってきて、その流れで後半戦を戦いたかったのですが、鈴鹿でケガをしてしまい、せっかく作った流れを止めてしまいました。進入で頑張りすぎて立ち上がりに繋げられないという走りの修正は出来たのですが、今後は右コーナーと左コーナーで異なるフィーリングになってしまい、それが課題となっています。シーズンオフにしっかりトレーニングをし、その部分の修正をしていきたいと思います。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

成田彬人
「今回のレースに関してリザルト的には悔しいですが、内容としては一番良かったと感じています。前回からレースの取り組みを変え、今後の成長に繋がる走りをするように意識し、その部分で前に進むことができました。結果だけを見れば悔しいですが、1年通してとても成長できたと思います。ライディングスキルもそうですが、メンタル面に関しても進化できてると思います。シーズン途中でケガをしてしまい、苦しいシーズンになりましたが、自分の中では出し切ったという感覚もあるので、今の流れを今後に繋げらたれるよう、引き続き頑張っていきたいと思います。]

本田重樹監督

「GP-3クラスの成田は事前テストで得られた好感触が、金曜日の半端なコンディションによって失われてしまった感がありました。元々J-GP3を戦うには少し大きめの体格なのでセッティングは常にデリケートになるのですが、オートポリスは後半セクションで登りが続くので、体重がもろに加速不足に拍車を掛けます。単独で加速重視の走りが出来ないレースでは厳しいものになってしまったようでした。目標値は6位以内だったので、残念な結果となってしまいました。ST600クラスの千田は、今年ST600に上がり、時折見せる非凡なセンスが売りですが、怪我で事前テストに参加出来ず、ぶっつけ本番になってしまい、セッティングを仕上げ切れなかったのが残念でした。来年は型落ちでは無いマシンでレースが出来れば更に上位に進めると思います。クラス二年目の埜口は、彼の持つスピードを存分に発揮し堂々のチャンピオン争いに終始しました。レースでは少し硬くなったようですが、表彰台に上がりチャンピオン獲得は褒めてあげたいです。ST1000クラスの榎戸はクラス2年目となりますが、シーズンが進むにつれ調子を落としてしまいました。今回のオートポリスでも無駄な転倒があり、マシンが大破して予選・決勝は殆ど新組のマシンとなり、完全に出遅れてしまいました。シーズン終盤、ましてや最終戦となるとライバル達のマシンはほぼ仕上がっており、新組のマシンでは勝負出来なかったようです。JSB1000の名越は最終戦になってやっと本来立つべきポジションに収まるようになってきました。レース1では行き過ぎてしまい、オーバーランで最後尾まで落ちながら怒涛の追い上げで7位。レース2ではスタートから安定して2位のポジションを守り切りました。来年はトップを脅かせるようになるべく期待します。」