2021年全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦スポーツランドSUGO
第1レース
視界不良のためキャンセル
第2レース
名越哲平
「JSB1000クラス1年目の自分にとって、ウエットでの経験が少ないため、金曜日の午後の走行が霧でキャンセルされてしまったのは痛かったです。予選はウエットからドライに路面コンディションが変わっていく中でも経験不足が露呈してしまった印象で、ウエットで引っ張りすぎてドライタイヤでの周回を増やせませんでした。決勝日の朝フリー走行でドライのセットを確認し、レースに向けてタイヤの皮むきもして準備を進めることができました。決勝はスタート直後のセーフティカーが入る前回の第1レースと同じ展開となりましたが、そこでの失敗を生かし、ペースを上げることはできませんでしたがその状況をしっかりクリアし、25周という長いレースを走りきることができたのは自分にとって、貴重な経験となりました。リザルトだけ見れば徐々に上がってきてる感じはあるんですけど、自分自身まだまだ納得できていないですし、走り自体もまだまだ詰めなければいけないところがたくさんあります。このレースウイークを通して、得られたデータと経験を生かし、より高いレベルで戦えるようにしていきたいと思います。」
榎戸育寛
「事前テストは二日間ともドライで走ることができ、とても良いフィーリンで走ることができました。ウエットも鈴鹿でテストをしたときに経験できていて、その時のフィーリングも良かったので、ウエットでも自信はありました。その流れでレースウイークに入り、金曜日のウエット走行になったのですが、やはり感触は良く、午前中のセッションを終えることができました。予選はウエットからドライに変わっていくコンディションとなりました。開幕戦の決勝で、ドライタイヤへの選択が遅れてペナルティを受けた経験があったので、今回は最初からスリックタイヤでスタートすることを決めていました。感触が良く、最後にアタックはできなかったのですが、5番手獲得は悪くなかったと思います。決勝は
自分の想定したペースで、抜かれたりはしていましたが、ラスト5周で勝負すると決めていたので、落ち着いて状況を見ていました。でもそのタイミングで少し問題が出てしまい、車体の変化にライダーが合わせることができずに後退してしまいました。残念ではありますが、トップ争いの中で状況を冷静に見て自分の戦いに持ち込むことができていたので、結果的にはポジティブなレースでした。この経験をしっかりと次のレースに繋げたいと思います。」
埜口遥希
「レースウイークを通じてアベレージタイムの向上を最大の目的とし、セットアップを進めました。土曜日の予選は終盤にアタックのタイミングを持っていこうとしていたのですが、その手前で霧が濃くなり、視界不良のために赤旗で終わってしまって不完全燃焼のセッションとなってしまいました。決勝は13番手からスタートになり、うまく飛び出して順位を上げていたのですが、2周目のシケイン立ち上がりで前の車両が転倒し、それに乗り上げて転んでしまいました。すぐに再スタートしたのですが、ステップはなくなっていましたし、ポイント獲得圏内まで挽回できなかったのは残念です。予選順位が上ではなかったことは事実ですし、次回以降はそこも含めて修正し、しっかり結果に繋げていきたいと思います。」
千田俊輝
「金曜日は雨になり、600クラスになってからウエットでの走行ができていなかったので、レインタイヤでの良い練習になりました。そのセッションでの感触も良く、ウエットはかなり自信を持つことができました。土曜日の予選はウエットからドライに乾いていく中、走りをウエットからドライに合わせきれず、ポジション的には21番手になってしまいました。金曜日のウエット走行では力を抜いて走っても10番手だったので、予選ではドライにうまく合わせきれませんでした。決勝もドライになり、中盤までは15位から16位あたりのポジションでラップできていたのですが、終盤になったところで走りが小排気量のスタイルになってしまい、600ccのエンジン出力を発揮させられない方向になってしまったのは反省点です。ただ、今回はまず転倒しない、ということが課題で、それはクリアできたので良かったです。」
成田彬人
「先週のテストで転倒してしまい、負傷してしまったためにレースウイークではかなり慎重に走りました。そのために予選位置も15番手と沈んでしまいました。決勝は後方からのスタートということで、前のライダーがどんな動きをするのか読めないため、少し距離を保って走っていたのですが、4コーナーで思ったより早くブレーキングしたので避けたらそのさらに前のライダーも早いブレーキングで、逃げ場を失ってしまいました。やはり予選位置は大事ですし、早いタイミングで挽回しようと焦りがあったのかもしれません。まずはケガをしっかり治し、筑波のテストからしっかり良い流れを作り、今回の悔しさを晴らしたいと思います。」
本田光太郎チームディレクター
「今回のレースウィークは、SUGO特有の雨が降ると霧が出てしまうという天候に翻弄されたレースウィークになってしまいました。JSB1000クラスに関しては、先週の事前テストの後、鈴鹿のサンデーロードレースに参戦することになりましたが、そこで8耐の出場権を無事獲得することができ、気持ちも新たに今回のレースウィークに乗り込んできました。そういう流れの中、最初の走行がウェット走行となり、鈴鹿サンデーの決勝もウエットコンディションとなり、そこでなかなか良いフィーリングが得られてなかったため、そのアジャストがメインとなりました。特にウェットコンディションでの走行経験が少ない名越にとって、いろんな経験を得る良いチャンスだと思いましたが、午後の走行が霧で中止になってしまい、セッティングを進めることができなかったのは残念でした。その流れのまま予選の走行になったのですが、路面コンディションがウエットからドライへと乾いていく厳しいコンディションとなり、名越はそれでも果敢にアタックしましたが、他のライダーがスリックタイヤに変えていく状況の中、ライダーとして決断するのが難しく、チームとしてもそこを積極的に進めることができず、タイムを上げることができませんでした。結果として最後尾グリッドになってしまったのはとても残念ですし、反省するところだと感じています。決勝朝のフリーに関しても、きちんとしたドライでは走れなかったので、事前テストのデータをベースに走ったのですが、トップと少しタイム差があり、難しい状況ではありましたが、その中で考えうるセッティングを進め、決勝レースに送り出しました。トップとのタイム差は現実としてまだありますが、その中でベストを尽くし、名越自身のJSBクラスベストリザルトとなる5位で終わることができました。レース後のコメントの中でも、次に繋がる良いフィーリングだった部分もあり、ポジティブなセッティングもあるのでそれをさらに進め、次の7月の全日本鈴鹿ではもう1ランク上で走れるように頑張っていきたいと思います。ST1000の榎戸に関しては、今年になってライダー自身の取り組みも含めとても調子が良く、その中でアベレージタイムを重視し、その点に関してもトップと遜色ないところまで来ることができており、今回もテストから落ち着いて進めることができていました。予選は、ウエットから乾きかけの状態でのドライタイヤを履いての走行という難しい状況になりました。その中で順調にタイムを上げていき、5番グリッドを獲得することができました。レースも、ドライの事前テストでアベレージが良かったので、良いレースができるかなと期待していたのですが、残り数周になって電気系のトラブルが出てしまいました。榎戸がその時点で加わっていた2位争いの中でアドバンテージを持っていながら、その位置をキープできなかったのはとても残念でした。再発防止に務めるとともに、今回の良かったフィーリングを次の筑波に生かせるよう、頑張っていきたいと思います。ST600の埜口に関しては、前戦のもてぎで初表彰台を獲得することができ、去年と比べるとトップに近いところでの走りができていています。今回の事前テストでも、本人の去年の自己ベストから大幅にタイムを更新していたので、期待を持ってレースウイーク入りしました。でも予選は乾きかけの路面で、取り組みの状況とアタックするタイミングを逃してしまい、霧により予選が終了になってしまう不運から13位という不本意な結果になってしまいました。さらに決勝では他車に乗り上げての転倒というにアクシデントに繋がってしまったので、予選から自分のペースでタイムを上げていければそういった状況を避けることができるでしょうから、そこは修正点だと感じます。ただし、トップグループで落ち着いて戦えるという手応えが得られていただけに残念でしたし、反省点として次の筑波に生かしていきたいなと思います。千田に関しては、事前テストで転倒し、茂木のレースウィークでも転んでいるのですが、それは本人がまだ600の乗り方にアジャストしきれていないことによるものです。それでも、少しずつステップアップしています。今回のレースウィークに関しては転倒することなく、決勝もポイントこそ取れませんでしたが、17位で終わることができました。本人も周りのライダーと一緒に走って気づくことがあったようですし、引き続き本人の今後の成長のために、良い経験を積んでいってくれればと期待しています。J-GP3の成田に関しては、事前テスト初日に転倒してしまい、怪我によって2日目をキャンセルという結果になってしまいました。レースウイーク入りし、テスト不足から少しセッティングの面で少し足りていない状況となりました。そんな中、現状できる限りのベストは尽くしたとは思いますが、決勝レースで他車に接触してしまって転倒ということで、少し空回りした結果になってしまいました。もう少し落ち着いてチーム全体で成田のポテンシャルを発揮できるよう、本人も含めてのきちんとミーティングをして今後に組んでいきたいと思います。今回もたくさんの応援をいただきましてありがとうございました。引き続き宜しくお願いいたします。」