2019年全日本ロードレース選手権シリーズ第8戦MFJ-GP

RACE1

RACE2

水野 涼
「事前テストがなく、対してライバルの上位陣はテストをしていた、というのもあり遅れのある中でのスタートとなりました。それは決勝まで追い付かず、レース1は運も味方して3位。抜ききれず3位で、最後のパッシングポイントでは黄旗もあり、そこは勉強させられました。レース2はステップが折れてしまったので、ただ我慢のレースでした。ただただ、ストレスの溜まるレースでした。シーズン前半戦は苦労した中で、バイクが変わった後半戦から表彰台に上れたのは、評価がもらえたと思う。オートポリス、良い流れを作ったのでそこでつかみ取れなかったのは悔しいですね。今回の鈴鹿は表彰台にも上れたので、自己採点は60点か70点くらい。同じバイクで巧さんと鈴鹿でベストタイム2秒差があるのはすごい差。そこはしっかり認識して今後、しっかりと詰めていかなければいけないと感じています。」

名越哲平
「オートポリスのレースが終わってから、気付くと鈴鹿のレースのことを考えている自分に気付き、意識してないと自分では思っていたけど、想像以上に意識している自分に驚きました。そういう意味でも、今までに経験したことのないプレッシャーを感じていたと思います。でもレースウイークに入って好調さを維持していることが確認でき、その部分では少し落ち着くことができました。予選もコースレコードをマークしてポールポジションでしたし、良かったです。決勝はとにかく勝ちだけをねらって走りました。ペース的にも10秒前半でラップできましたし、結果は負けてしまいましたが、チャンピオンも獲得できたし、勝てなかった借りは今後返します。」

榎戸育寛
「鈴鹿は結構自信あったけど、自分の詰めどころが違ってて、そこに苦戦しました。バイクセット自体は筑波、岡山、APとできているので、迷いはなかったけど、ライディングの詰めどころいくつかあって、チームメイトがタイムを上げていただけに焦りはありました。予選では最初ユーズドタイヤで出て行って10秒フラットまで行ったので、それがかなり自信になった。ライディングアジャスト、セットの方向性も見え、決勝を迎えました。最初にスプーンで飛び出し、はじき出される感じになって7番手くらいまで落ちたけど、トップは見えていたので焦る必要はないと自分に言いきかせました。トップが動いた時に対応できる範囲でいようとは思っていて、2番手に上がったときにはもうけっこうな差ができていて、厳しいかなって思ったけど、そこからさらにペース上げられたのが良かったですね。でもペースが速すぎで、10秒前半コンスタントは、正直しんどい!って思ってました。お互いに意地の張り合いでしたね。哲平とは速いところが違ってて、彼はスプーンが速いので、130Rを攻めてシケインは自分が速いのは分かっていて、最後はイン閉めるのも予想できたので、アウトから強引にいきました。行き過ぎたかなとは思ったけど、結果的に良かった。今年はもう、最後の最後まで勉強でした。」

上原大輝
「金曜日には転倒してしまったりしましたが、それでも流れを引きずらず、上向きに持っていくことができました。レースは序盤の展開をもう少しうまくできればさらに上位に行くことができたので、そこは残念です。走り始めからの積み重ねの大事さを、改めて感じました。」

本田重樹監督
「ST600の上原は、今年いろいろ苦戦したけど、最終戦ではとにかく結果を出したいということで、レースマネージメント、組み立て方、ともに考えたと思います。レースウイークの途中では転倒もあったけど、いつもならそこで調子を崩してしまうところを取り戻し、今季最高位のリザルトを出せたのはとても良かった。来年に関しては現時点でまだ不透明だけど、こういうシーンの中で頑張ってほしいと思います。J-GP2のレースは非常にエキサイティングな展開になりました。榎戸、名越の2人が自分たちの持っているものを最大限出し、得意なところ、不得意なところをお互いせめぎ合い、結果、榎戸1位、名越2位。名越は2位になったけどチャンピオンが獲れて、我々にとっても最良の結果になったと思う。この2人がこれから長いことライバルとして頑張っていけることを望みます。JSB1000の水野は今回なかなかセッティングが決まらず、使用タイヤの選択にも迷うところがあってうまくいかなかったけど、レース1は3位。レース2は序盤からステップ周りのトラブルが出てしまって、締めのレースとしては残念でした。でもシーズン通して、涼のライディング技術は向上しているし、ランキング4位というのは残念でもあるけどまぁまぁできたのかな、と感じます。来年に向けては、今年獲得した技術をさらに磨き上げてさらなる高みを目指して頑張ってほしいと思います。1年間、ありがとうございました。」

堀尾勇治チーフメカニック
「全体的に見ると良いクラスもあり、やりきれないクラスもあったけど、みんな来年に繋がる走りはしたんじゃないかと思います。JSB1000クラスの水野は春の鈴鹿2&4からここまで、成長してきてると思います。マシンが変わったら変わったなりに自分のペースも上げてきた。ただ、今回のMFJ-GPではそれが出し切れませんでした。目標である4秒台もクリアできなかったし、レース2はマシントラブルも抱えてしまいました。そのあたりは今後、ホンダと一緒に見直したいと思います。この悔しさを来年の開幕戦にぶつけます。今年は応援してくれている方々の期待に応えてくれたとは思うけど、持ってる可能性はそれ以上なので、大きくジャンプアップしてほしいですね。ST600の上原は、苦しんだシーズンでした。最後、予選で出し切れなかったけど、予選タイム並みのアベレージを決勝で走れたのは、やってきたたことが実になったのかなと感じました。それをずっとやり続けて進むと、今回8位なら次は6位、その先に表彰台、優勝と見えてくる。うまくいかなかったことをもっと客観的に考えてほしいですね。J-GP2は、チャンピオンがかかってる名越、榎戸の2人がシングルのポイントの中で、最終戦を迎え、さらにそこに作本選手の3人が加わりました。チームでデータも共有し、榎戸には哲平のデータは開示してたし、それは逆も然り。それで2人で良いレースをしてくれて、お互いに成長してくれてば良いと思っていました。哲平にはレース前、勝ちに行かなきゃダメだけど、マストはチャンピオン。実際にこれってすごく難しい。でもチャンピオンが獲れないと、一生後悔する。どんな形であれチャンピオンねらえ、と言いました。その結果として勝てなかったのは今後の課題ですね。勝ててチャンピオン獲れたら強いチャンピオン。でも勝てなかった。榎戸は榎戸で、よくやりました。内容的にも今まででいちばん速いレースでしたね。今までレースでは11秒1くらいがアベレージでした。でも今年は10秒前半で彼らはレースをしていた。ただ、それでも世界レベルで見るとすごくはない。もっともっとレベルアップしないとダメですよね。そんな、世界への道をこじ開けるライダーが出てきてほしいと感じます。」