2013年鈴鹿8時間耐久ロードレース

2012 鈴鹿 8耐 MuSASHi RT ハルク・プロ HARC-PRO.

2013年鈴鹿8時間耐久ロードレース リザルト

高橋 巧「体力的には自分の3回目のスティントが厳しくてタイムが上げられず、苦しい走りとなりました。雨となった最後のスティントはとにかくミスを出さないよう、コンディションを冷静に見極めることだけに集中しました。前回の優勝は足を引っ張ってばかりだったのですが今回は多少、チームに貢献できたかなって思うので嬉しいです。」
レオン・ハスラム「ケガをしていて8耐を戦うことはとても厳しいということは認識していましたが、世界レベルのチームでホンダの素晴らしいマシンを走らせる機会なので、話があったときに出たいと即答しました。テストからチームに合流し、このレースウイークも一緒に戦いましたがすべてに渡って素晴らしく、レースに集中することができました。こんな素晴らしい環境でレースが戦えるチャンスを与えてくれたホンダ、ハルク・プロ、武蔵精密工業を始めとしたたくさんのスポンサーの皆さんに感謝します。また来年もぜひ鈴鹿に戻り、このチームで2連覇に挑戦したいと思います。」
マイケル・ファン・デル・マーク「初めての鈴鹿8耐、初めての1000ccマシンということで不安はありましたが、最初に声をかけてくれたHRCのスタッフが『いいチームでマシンもいい状態だから、持っている力をフルに発揮させられるはず。自信を持ってチャレンジしてみるべき』とアドバイスしてくれたので、参戦を決めました。実際にテストに合流して、チームスタッフ全員が素晴らしい仕事をしており、マシンも走行毎に確実に進化していくので自分は速く走る、ということだけに集中することができました。決勝では以前痛めたケガの影響で1回しか走行できず、チームに迷惑をかけてしまったのは本当に申し訳なく思います。この経験を生かし、来年はさらに成長してハルク・プロに戻ってきたいと思います。」
本田重樹監督「今回のレースはハルク・プロとして初となる外人ライダーとのジョイントとなり、不安は正直ありました。鈴鹿8耐というレースはチームクルー、ライダーすべてのコミュニケーションが取りきれないと、失敗やトラブルに即つながるからです。ですが二人の外人ライダーはレースに対してとても真摯で、我々に対しても敬意を持って接してくれ、事前に懸念していたようなことはまったくの杞憂に終わりました。チームの作戦を100%受け入れてくれ、それが勝利につながったと確信しています。マイケルは古傷からくる腕のしびれが決勝中に出てしまい、そのためにチームはその後の周回数設定に変更を強いられましたが、レースウイーク中に大きな成長を見せ、その伸び代には大きな可能性を感じましたし、彼の走りが他の二人に与えた影響はかなりのものだったはずです。レオンは今季序盤にレースで負ったケガが完治していないことから本来のライディングをすることは厳しい状況でした。ですがそれを一切に見せず、レースではいちばん周回数を減らす予定だったのですがマイケルのアクシデントから3スティント走行してもらうことになりました。それでも置かれた状況の中でベストを尽くすそのプロフェッショナルな姿勢には、親子二代で世界選手権レベルのレースを戦う資質の高さを垣間見せられた思いがします。高橋巧はチームが期待したことに見事に応える走りをしてくれ、担当パート変更をして結果的に4スティント乗り、特に最後は雨中の走行とミスのできない厳しい状況での走りとなりましたが、見事それを切り抜けてくれました。我々がこれまでに経験したことのない組み合わせでレースを戦ったのですがうまくこれをこなすことができて今後、ハルク・プロのレースに幅を持たせることができた、大きな意義のあるレースとなりました。武蔵精密工業のスタッフもいい仕事をしてくれ、また大応援団が駆けつけてくれて、とても強力なバップアップをしていただきました。本当にありがとうございました。また来年もぜひこの三人で、8耐2連覇にチャレンジしたいと思います。」
堀尾勇治8耐チーフマネージャー「正直、事前テストがうまくいっているとは言えないような状況で、さらにはチームとして初めて外人ライダーを迎い入れて8耐を戦うということで懸念材料は山積みでした。ですがチームサイドとして事前に準備したことがレースウイークに入ってすべてをうまく運んでくれて、三人のアベレージタイムも高いレベルで安定。アクシデントも起きなかったので決勝用として温存したマシンを予定通り、いちばんよい状態でレースに投入することができました。途中、マイケルのアクシデントがあったり、また事前に十分練習を重ねてきたピット作業でミスが出たり、その部分では不本意でしたがそれでもレース中、担当メカニックとミーティングをしてしっかりと修正することができ、そうしたチーム全体のパフォーマンスが勝利につながったのだと思います。二人のライダーが我々チームに対して絶対的な信頼を置いてくれ、作戦も100%理解し、その遂行に全力で臨んでくれたことは本当にありがたかったですし、強力な武器となりました。レオンはケガを早く治し、この経験を生かしてワールドスーパーバイクで活躍して欲しいですし、マイケルも今回のパフォーマンスを600のレースで見せ、来年、さらにたくましくなって鈴鹿に戻ってきてくれることを期待します。来年もまた、この三人で戦いたいですね。もっと強いレースができると思います。」