2010年全日本ロードレース選手権シリーズ第4戦 第4戦スポーツランドSUGO

第4戦スポーツランドSUGO

■選手コメント
浦本修充「レースのバトルの中で自分のリズムを取り戻そうと考えていたのですが、早い段階で集団の中でレースをすることができず、気持ちを戦闘モードに入れられずに終わってしまいました。メカニックの仲地さんにもいろいろアドバイスしてもらい、自分のレースのリズムを取り戻そうとしているのですが、なかなか思うようにできていません。人任せではなく、自分の力でこの状況を打開できるよう、テストからしっかり走るように頑張ります。」
■レースコメント
なかなか自分のレースができずにいる浦本。事前テストから自分のレースを取り戻そうとトライするが、思うようにリズムを作れない。それでもチームは浦本本来のライディングができるよう、マシンを合わせていく。金曜日のART合同テストでは1分37秒545で総合9番手に付け、更なるタイムアップを期待させた。土曜日の予選ではわずかにタイムを上げることに成功し、1分37秒401で14番手、5列目からのスタートとなった。
ドライの決勝。まずまずのスタートを見せ、1周目を10番手で通過。序盤は37秒台でトップグループと遜色のないペースで走り、5周目にはトップグループと同レベルの36秒台に入るが、前後ともに離れてしまっている。できれば前後のライダーとのバトルで自分のリズムを作りたい浦本だったが、この状態では難しい。終盤に8位集団に加わったが、ペースを上げるところまでには至らず、9位でチェッカーとなった。

■選手コメント
小林龍太「金曜日の走行はいい感触を得たのですが、土曜日になってコンディションが変化したのか、バイクの印象が大きく変わってしまいました。決勝中はマシンの状態が安定せず、乗り方で工夫してみたのですが思うようにペースを上げることができませんでした。テストからしっかりマシンを作り、コンディションの変化にも対応できるように幅を持たせたバイク作りをしていきたいと思います。使っているハードのレベルは、こんなものではないはずです。頑張ります。」

中上貴晶「なかなか思うようにマシンが仕上がらず、苦労している中で転倒してしまい、ケガをしてしまいました。決勝に出られるかどうか自分でも分からなかったのですが、朝のウォームアップ走行を走ってみたらペース的にもいい感じで走れたので、レース出場を決めました。決勝中、痛みはなかったのでその分は助かりましたが、クラッチ側なので、シフトダウンの際にうまく操作できないので苦労しました。一日も早くケガを直し、テストに参加してマシンをさらに仕上げたいと思います。」
■レースコメント
金曜日の走行で小林は自分の好みのマシンに仕上げられることができ、手応えを感じながら土曜日の予選を迎えることとなった。一方の中上はまだ思うような状態ではない。ところが土曜日に走り出して小林はマシンのフィーリングが前日と大きく異なり、自分のライディングができない状態であることが分かった。中上も決して満足のいく状態ではないながらもタイムを詰めていく。結局予選は、中上が12番手、小林16番手となった。ブリヂストンユーザーでは中上の位置が最上位であり、各チームともにマシンの仕上げに手間取る状況となってしまっていた。しかも中上は予選中に転倒。左手首を強打してしまった。サーキット内の医務室のレントゲンでは折れていないことが確認できたので、アイシングで抑えることにした。かなり左手首は腫れてしまい、チームは決勝日朝のウォームアップ走行で決勝に出場するかどうか判断することとした。様子を見ながら走り出した中上だったが、徐々にペースを上げ、8番手のタイムも出せたことから、決勝出場を決断した。
まだ十分に仕上がっていないマシンでの決勝はやはり厳しく、小林は10位前後で、中上は13位あたりで序盤のレースを展開する。序盤から1分33秒台で走る小林は、周囲が32秒台へ入れていくため、順位を上げることはできずにいたが、周回が進むにつれ周囲のタイムの落ち幅も大きくなり、今度は順位が上がっていく。中上も瞬間的な速さは見せられないものの、安定して33秒前半から32秒台へ入れ、順位を上げていく。17周目には8位を走る小林をパスし、前に出る。しかし小林もラストラップに抜き返し、小林8位、中上9位でチェッカーとなった。ちなみに小林の8位はブリヂストンユーザー最上位。新型のフロントタイヤに合わせて作られた新型のリアタイヤもあるのだが、今回の事前テストではコンディションの関係からレースでは使用しなかったもので、今後はこのタイヤとのバランスを採りながらセットアップを進めることになる。新たな武器を手に、終盤の巻き返しが期待される。

■選手コメント
高橋巧「8耐から走りのリズムが全日本仕様にうまく切り替えられず、苦戦してしまいました。マシンの仕上げが遅れたため、決勝は予想以上に気温が上がってしまったのですが、それに対応させることができませんでした。やっとレースの終盤に走りのリズムが戻ってきた感じです。次はテストからしっかりとマシンを仕上げ、いいレースをしたいと思います。」

小西良輝「新しい仕様のマシンを仕上げるのに手間取り、スリックタイヤが使えるというメリットをうまく生かすことができずに終わってしまいました。マシンを改造するということは、スタンダートのマシンバランスを崩して組み立てなおさなければならないため、非常に時間のかかる作業なのですが、そのあたりがうまくまとめ切れませんでした。方向性は見えてきたので、テストをしっかり行い、マシンを仕上げていきたいと思います。」
■レースコメント
8耐で使用したマシンとは仕様が異なる車両で全日本を戦う高橋巧。マシンの乗り換えを中心に第4戦に向けた事前テストでのメニューが組まれたが、本来のリズムに戻すのに時間がかかってしまい、レースウイークに入っても自分の走りができない。基本的なセットアップを金曜日のART合同テスト、土曜日の予選と行うこととなった。
予選はノックアウト方式となり、最終予選まで進出した高橋だったが、1分30秒143で7番手と、本来のポジションより大きく下がった場所からのスタートとなってしまった。
決勝へ向けてチームはミーティングを行い、さらに大きくセッティングを変えて決勝日朝のウォームアップ走行に入ることとした。この仕様で好感触を得たことから、さらにこれを進めたセットアップで決勝を迎えることにした。
まずまずのスタートを切り、6番手あたりで序盤展開する高橋。一発の速さは見せられないものの、ペース自体は安定している。このため周回を重ねるごとに順位を上げ、終盤には4位争いをするまでの位置に上がった。一度抜き返されたものの、最後にもう一度パスし、そのまま4位でチェッカーとなった。
J-GP2クラスは今回、スイングアーム、マフラーを新作し、それに合わせたサスペンションを装着。さらなるレベルアップをねらってレースを迎えた。しかしマシンのバランスがなかなか採りきれず、事前テストからセットアップに時間を費やしてきたのだが、満足のいくレベルに到達できない。
予選は総合17番手のクラス2位。決勝はクラストップのマシンを追いかける展開となったが、最後まで抜ききれず、総合16位、クラス2位でチェッカーとなった。