2009年全日本ロードレース選手権シリーズ第5戦 第5戦岡山国際
2009年全日本ロードレース選手権シリーズ第5戦 第5戦岡山国際
■選手コメント
小西良輝「予選での転倒は、あんな混んだ位置を走っていた自分が悪いのだと思います。金曜日の合同テストで一発タイムはある程度出るのが分かっていたので、クリアラップを取って自分のペースでタイムを出そうと思っていたのですが、結果的に後で振り返ってみると、ちょっと自分のリズムが崩れてしまいました。レースは9番グリッドから追い上げるさまざまなパターンを監督と考えて準備していて、実際にはスタートで今ひとつ前に出られなかったので、その状況になったときのパターンをトレースしました。作戦を事前に用意しておくことが出来たので、落ち着いてレースを戦えたのが大きかったと思います。イメージどおりのタイミングでトップに追いついたので、後ろに付いて前のライダーの走りを確認し、勝負どころをラストラップのヘアピンと決め、勝負しました。SUGOに続いての連勝なので、この勢いで最終戦まで行きたいと思います。応援、宜しくお願いいたします。」
小林龍太「スタートで少し失敗し、追い上げる展開となってしまいました。監督から、序盤であまり無理してタイヤに負担をかけすぎて終盤に勝負をかけられなくなってしまうパターンは繰り返さないようにとアドバイスされていたので、それを忘れないよう冷静に走ることが出来たのは大きな収穫だと思います。これまではトップグループでレースをしていながら、終盤に離されてしまう展開だったので、そうならなかったのは大きな自信になりました。今回は小西さんに抜かれてしまいましたが、次は負けずに前でゴールしたいと思います。今回もたくさんの応援をいただき、ありがとうございました。次も頑張りますので応援、宜しくお願いいたします。」
■レースコメント
事前テストの好調さをそのままレースウイークでも維持し、小西が総合トップとなる1分34秒837をマーク。小林も総合2番手となり、チームが1、2を占める速さを見せ付けた。
土曜日の予選は50分という長い時間が設定された。しかしレースウイークで使用できるタイヤが限定されているため、1セットのタイヤでこの時間をうまく使い、マシンセッティング、タイム出し、レースシミュレーションなど、さまざまなテスト項目をクリアしなければならない。順調にタイムを伸ばしていた小西、小林だったが、小西はタイムを詰めているラップ中、他車のアクシデントに巻き込まれてしまい転倒。9番手と後ろのグリッドからのスタートとなってしまった。小林は順調にタイムを縮め、4番手となった。
レース前、監督と綿密なミーティングを行った小西。二人は9番手からスタートして、さまざまな状況を想定し、いくつかのパターンを作ってその中での戦い方を組み立て、ベストリザルトを得るための方策を考えていた。
ウォームアップ走行では小西がトップタイム。小林も4番手タイムを刻んだ。
15周のレースがスタート。1周目を小林が5番手、小西8番手でクリアする。5周目、小林が2位に上がり、小西はトップグループを上回るペースでラップし、この時点では5番手まで上がってきた。8周目には小西が3位に上がり、小林の背後にピタリと付ける。13周目のヘアピン進入で小林のインに小西が飛び込み、前に。2位に上がった小西はトップを走る手島雄介の後ろに付けると、ラストラップのヘアピンで小林をパスしたパターンで手島も抜き去りトップに立ち、そのままチェッカー。小林も3位のポジションをキープし、3位でゴールとなった。
■選手コメント
山口辰也「ブレーキング時がいちばん厳しいので、レースではスタートの位置が大事だと思っていました。トップのライダーは抜け出てしまいましたが、その後ろの2位集団に加わって最後までレースが出来たので、最低限の仕事は出来たのではないかと思います。こうした状況で、どうやったら負担がかからずに乗ることが出来るか、このような状況ではどのようなバイクに仕上げたらいいかなど、とても勉強になりました。ラップタイム的にはまだまだ余裕があったのですが、指が言うことをきいてくれないので、前を抜くところまでに至らないのは歯がゆかったです。とにかく身体を一日も早く治し、ベストの状態にして残りのレースに臨みたいと思います。今回もたくさんの方にサポートいただき、たくさんの応援もいただきました。ありがとうございます。残りのレースもベストを尽くしますので、引き続き応援、宜しくお願いいたします。」
■レースコメント
金曜日のART合同テストで4週間ぶりにマシンにライディングした山口。午前中の走行前にマシンにまたがり、ハンドルを握ってポジション確認という作業から、山口の岡山でのレースがスタートした。
そんな状態でも走り出しの午前中のセッションは4番手、午後はさらにタイムアップにも成功して5番手と、ライバルと比較しても遜色ないペースで走ることが出来たのは、チームにとって大きな収穫となった。今回の予選はノックダウン方式とされ、3回のセッションがあり、トータル70分の走行時間となる。マシンのセットアップなど、消化しなければならないメニューは山積だったが、山口は手の怪我をかばいながらも意欲的にクリア。Q3まで進出し、トップから0.6秒遅れの6番手とまずまずの位置で予選を終えることに成功した。
右手小指を怪我しているため、ライディングはブレーキング時にもっとも影響が出る。マシン面でそれをサポートするセッティングも施し、ライディングもそれをカバーするスタイルにトライ。そうした努力の積み重ねを、予選タイムにつなげることが出来た。
ブレーキング勝負ができないため、より上のレースリザルトを得るためには、スタート直後の順位がその後の展開に大きく影響を及ぼす。集中してスタートにかけた山口は、1周目に6番手と予選位置そのままのポジションでクリア。トップグループのペースで走り続ける山口だが、やはり前に出る勝負はできず、そのままの位置でチェッカーとなった。