2009年全日本ロードレース選手権シリーズ第4戦 第4戦スポーツランドSUGO
第4戦スポーツランドSUGO
■選手コメント
小西良輝
「周りがどうというより、とにかくしっかりと自分の戦いをしようと強い気持ちを持って今回はサーキット入りしました。決勝は路面温度が低く、気を遣うことが多い難しいレースでしたが、その状況の中で自分がどう戦うか冷静に判断し、最後にスパートを掛けて抜け出す理想的な展開となりました。実力伯仲の激しい戦いが毎回展開されるクラスなので、この勝利に気を抜かず、さらに努力を続けたいと思います。応援、ありがとうございました。次も必ず勝ちます。」
小林龍太
「調子自体は良かったのですが、コンディションの変化にしっかりと対応できず、決勝はトップグループを走ってはいましたが、前のライダーについていくのが精一杯で、仕掛けるとか、前のライダーがミスをしたときにそこを突くとかということができる状態ではありませんでした。もう少しテストから高いレベルで走行を重ね、マシン、ライダー両方の余裕を作る必要があると感じました。次のレースこそは表彰台に上りたいと思います。応援、よろしくお願いいたします。」
■レースコメント
ドライで行われた金曜日のART合同走行は小西が1分33秒213でトップ。小林も1分33秒556で2番手と、チームが1-2でこの日のセッションを終えることに成功した。予選日となる土曜は曇り空で、時折雨がパラつくコンディションとなった。そんな中、小西は1分35秒654までタイムを縮め2番手。小林も意欲的にラップを重ねたたが、コンディションの変化に対して今ひとつ攻め切れず、1分36秒309で8番手となった。
土曜は気温が27.5度だったのに対し、決勝日は20.6度。観客の多くが長袖で来場しているような肌寒ささえ感じる涼しさとなった。決勝はドライコンディションでスタート。小西は得意のスタートダッシュを見せ、先頭で1コーナーに飛び込む。小林もまずまずのスタートを見せ、4番手でオープニングラップをクリアする。2周目、トップを奪われた小西だが、すぐに奪い返す。7周目、3位を走っていたライダーが転倒し、このために4位に付けていた小林が自動的に3位に浮上する。ラスト3周となった13周目に小西はスパート。1分34秒台から33秒台へタイムを上げ、後続を振り切りにかかる。このスパートに付いていけるライダーはなく、小西は嬉しい今季初勝利。小林は逆にラスト3周で抜かれてしまい、表彰台に後一歩の4位チェッカーとなった。
■レースコメント
第3戦で優勝し、鈴鹿300㎞、鈴鹿8耐と好調さを維持している山口辰也。第4戦SUGO大会に向けた事前テストでも順調にタイムを刻み、レースウイークに入っても山口を中心に、このクラスは動いていくこととなった。金曜日のART合同走行は1回目に1分28秒730でトップ。続く2回目は1分33秒084で非公式ながらコースレコードを上回る1分33秒084というタイムをただ一人マークし、その速さをアピールした。しかし未知の領域に入ったことで、まったく問題がないわけではなかった。事前テストで出た課題をクリアするため、このレースウイークでは新たな方向性を持ったセットアップを進めており、完全な仕上がりを見せているわけではない。ノックアウト方式となり、3回のセッションでしっかりとタイムを出さないと次のセッションに進めない予選方式の中で、タイムを出しながらマシンセットアップを進めることとなった。
雨がパラつき、天気に翻弄されるクラスが出た予選だったが、JSB1000クラスはドライコンディションで予選を行うことができた。しかしウエット宣言が出されており、路面はわずかにウエットパッチが残り、雨がいつ降り出してもおかしくないような状況となった。そんな中で山口はマシンセットアップを行いながら順著にタイムを詰めて最終セッションまで進出。1分28秒050のコースレコードを記録して3番手となり、フロントローからのスタートとなった。ウエット宣言されたことで、使用タイヤ制限が解除。このために状況に合わせたタイヤを次々と導入し、予選タイヤさえも装着したライバルチームに対し、山口は決勝用タイヤで出したタイムであり、決勝への確かな手応えを感じながらの予選であった。
決勝へ期待が高まったが、スタートへ向けたサイティングラップ中に山口は転倒。この際に頭部を強く打ち、マシンもコース上に残ってしまったことから、この処理のためにスタートはディレイとなった。救護室に救急車で運ばれた山口は頭を打っていることからそのまま外部の病院へ搬送され、スターティンググリッドに並ぶことなく、レースを終えざるを得なくなってしまった。