2009年全日本ロードレース選手権シリーズ第1戦 第1戦筑波

第1戦筑波

■選手コメント
小西良輝「予選は渋滞に巻き込まれてクリアラップがうまく取れなかったので、ポジション自体はそれほど気になりませんでした。決勝も自分の得意のパターンに持ち込もうと頑張ったのですが思うようにペースを上げることができず、苦しい展開になったのは想定外でした。すべてはマシンのセットアップを詰め切れなかった点にあると思います。もう一度すべてを見直し、次は小西良輝本来のレースをお見せしたいと思っています。今回もたくさんの応援をいただきありがとうございました。次は皆さんに喜んでいただけるレースを必ずお見せします。」
小林龍太「事前テストから好調だったのですが、レースウイークに入ったらすべてが思うようにいかず、苦しいレースになってしまいました。ですが決勝ではやっと自分の走りのリズムが戻ってきたのでこの流れでテストを行い、自分本来の走りを取り戻したいと思います。応援、ありがとうございました。」
■レースコメント
小西は事前テストから順調に仕上がり、レースウイークのテストでも安定してハイペースを刻む。一方の小林は好調だった事前テストのタイムを踏まえ、一段上のレベルを狙った車体のセットアップにトライ。しかしこれが裏目に出てしまい、なかなかタイムを伸ばすことができない。このため、土曜日の予選は元のセットアップに戻すという作業が行われた。
この結果、予選で小西は58秒964でフロントロー3番手、小林は59秒552で6列目16番手となった。
ドライコンディションで迎えた決勝日。いよいよST600クラスのスタートとなった。
小西は得意のスタートダッシュを決め、オープニングラップをトップでメインスタンド前に戻ってくる。小林もうまくスタートで飛び出し、12番手までジャンプアップして1周目をクリア。トップを走る小西はペースを上げ、後続を引き離しにかかりたいところだが、なかなかタイムを上げることができない。このため、ライバルが後ろにピタリと付いた状態で、厳しい展開だ。それでもトップをキープして周回を重ねる小西だったが、14周目にトップの座を奪われ、さらにパスされて3位へとポジションダウン。小林も18周目に二つポジションを落とすがすぐに一つ上げる。
迎えたラストラップ。小西は表彰台の一角を得ようと3位を走るが、1コーナーでラインを外してしまい、4位にポジションダウン。何とか3位を取り戻そうとトライするが、結局前に出られずに4位でチェッカーとなった。小林はラストラップに順位を上げ、10位でゴールした。

チームコメント「昨年チャンピオンを獲得した走りをさらにワンランク高いレベルへ引き上げようと新しいサスペンションを採用し、これにトライしましたが結果的に小西、小林ともに時間不足で十分な詰めを行うことができませんでした。小西の得意のレースパターンである先行逃げ切りができなかったのは、そこに原因があります。ですが方向性はしっかりと見えたので、次のレースまでにさらにテストを重ね、われわれが狙っている高いレベルにマシンを仕上げられれば、ライバルを圧倒するレースができるはずです。小林もその部分の仕上げに手間取り、それがリザルトとなって出てしまいました。」

■選手コメント
山口辰也「決勝日朝のフリー走行まで順調だったので、マシントラブルでピットスタートは本当に残念です。でも最後まであきらめず、しっかりとマシンを直したメカニック、スタッフの姿はハルク・プロならではのものだと思いましたし、そうして直してくれたマシンを渡されてコースに戻った僕は、チームのみんなの頑張りに応えるためにも精一杯走りました。セットアップを進めてきたパーツとは異なるものを使ったりしたので若干、本来のリズムで走ることはできませんでしたが、それでも安定して56秒台でレースができていましたので、朝の状態だったら十分にトップ争いに加わることができていたと思います。チェッカー後、ゆっくりコースを走ったら、自分が行く先々の観客席でスタンディングオベーションが起きていました。長くレースをしていますが、こんなことをお客さんにしてもらったのは初めてです。レース結果は残念ですが、ぎりぎりまであきらめずにマシンを修復するメカニックとスタッフの姿を見せられ、さらにはあきらめずに追い上げる姿を皆さんにお見せできたので、そういう意味ではいいレースだったと思います。次は結果で皆さんに喜んでいたけるようがんばります。たくさんの応援、本当にありがとうございました。」
■レースコメント
山口は事前テストからの順調な流れでセットアップを進める。08年型のホンダファクトリーマシンCBR1000RRWにブリヂストンタイヤという、昨年とはまったく異なるパッケージをライディングすることになった山口だが、マシン、そしてタイヤのフィーリングを確認しながら順調にタイムを詰めていく走りは、ファクトリー経験を持つ彼ならではのもの。予選はコースレコードとなる55秒839をマークして2列目4番手となり、決勝日朝のウォームアップ走行ではトップタイムを記録。決勝への期待が高まった。
JSB1000クラスの決勝はスタート直後にアクシデントが発生し、2回も仕切りなおしとなる波乱となった。山口は1回目のスタート直後に電気系とのトラブルが発生。この修復に手間取ってしまい、3回目のスターティンググリッドにマシンを並べることができずにピットスタートとなり、最後尾から追い上げるという痛恨の展開を喫することとなってしまった。
山口がコースインしたときにトップグループは裏ストレートに入るタイミングで、その差はすでに34秒ほどあった。レースはトップの二人が56秒台でラップし、3位以下は57秒台という状況。山口は早々にトップ2台と同じ56秒台へ入れ、猛烈な追い上げを見せる。ペース的に山口と2秒は異なるマシンをパスしながら順位を上げる山口。10周目に17位、12周目16位と順位を上げ、16周目には11位まで挽回。レース終盤になっても山口のハイペースは変わらず、56秒台でラップする。結局、ゴール時には6位まで順位を上げることに成功していた。
チームコメント「決勝日朝のフリー走行までパーフェクトなスケジュールできていたのですが、思わぬトラブルが出てしまい、ピットスタートを強いられてしまいました。そんな厳しい状況でしたが、レースタイムは素晴らしいものでしたので、内容には満足しています。もう一度マシンを見直し、テストを重ねて次回のレースには完璧な状態で臨みたいと思います」